日本の教育には愚かな「禁止令」が蔓延している! 親や教師が子どもから奪う「大切なもの」

「危ないからダメ!」「ちゃんとしなさい!」子どものためを思って親や学校が浴びせる「禁止のシャワー」は、子どもの未来にどう影響するのだろう。【画像】令和の高校生が「納得できない」部活ルールといえば実業家・堀江貴文氏の著書『バカ親につけるクスリ』では、子どもをダメにするこれまでの“当たり前”を根底から覆す「ネオ教育論」を展開。

本書から一部抜粋し、親や学校による「禁止」がいかにして子どもの好奇心を奪い、凡庸な人材を育て上げてしまう「安い教育手法」と言える理由について紹介する。
どうして人は、成長するにつれ「没頭する力」の存在を忘れてしまうのか?

そのきっかけを作るのは親だ。部屋や服を汚したり、遊びに夢中になったりといった幼児の行動を、親は1日中制止し続ける。

もちろん、子ども自身に危険が及ぶような行為は止めるべきだ。しかしほとんどの親は、ちょっとした幼児の行動にも、その延長線上である程度大きくなった子どもの行動にも、「これをしちゃいけません」「あれをしちゃいけません」という禁止のシャワーを浴びせかける。

大半の子どもがこの時点で、「そうか、自分がやりたいことをやり続けるのは、悪いことなんだ」と思い込むようになってしまう。

そして学校だ。学校とは、親から子どもへの「禁止シャワー」を引き継ぎ、さらに強化する場となっている。
刑法から信号機まで、社会に存在するルールの多くが「禁止令」という形で存在している。そしてご存じのように、学校には数多くの校則があり、明文化されていない「常識」というルールが存在する。

たとえば登校の際、「学校が認めた制服しか着てはいけない」という禁止令だ。上履きの存在だって「土足で校舎に入ってはいけない」という禁止令だし、「アルバイトをしてはいけない」とか「学校にスマホを持ち込んではいけない」とか、さまざまな禁止令が存在する。

小・中学校では「給食を残してはいけない」「廊下を走ってはならない」「先生とすれ違うときは挨拶をしなければならない」など、人権侵害スレスレの禁止令もたくさんある。

「子ども時代の禁止令の影響が残っているんだろう」と感じる大人も、ちょくちょく目にする。

家を出るべき時間が迫っているのに、靴紐をモタモタと結んで、途中で紐がちょっと緩んだことが気になってはごちゃごちゃとやり直し、なかなか履き終わらない人。

他に急ぐべき用事があるのに、服をきちっと畳まなければ気が済まなくて、無駄に時間がかかってしまう人。こうした人は、ひとつひとつの動作にいちいち時間がかかっている。

元々要領が悪いからこそ、親が「失敗を減らせるように」と、禁止令を交えながら一生懸命しつけたのだろう。

「靴紐が緩んでいてはダメ。履くときにしっかりと確認しながら結びなさい」「服をぐちゃぐちゃに置いてはダメ。きちんと畳みなさい」などと何度も言われ、ちゃんとしないと怒られるから、親の言葉が染みついてしまった。

そのため失敗は減るものの、全体的に動作が遅くなる。そういう「要領の悪い人」は、実社会には案外たくさんいる。

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