熱烈なトランプ支持者が“銃弾1発”で射殺の衝撃…専門家は「容疑者にライフル射撃のトレーニング経験があれば180メートルは“短距離”と言える」

1ヤードは約0・91メートル──。アメリカの若年層に強い影響力を誇る保守系団体「ターニング・ポイントUSA」の代表だったチャーリー・カーク氏は5月10日、ユタバレー大学のイベントに登壇していたところを射殺された。複数のアメリカメディアは「200ヤード=約180メートル」離れた建物の屋上から放たれた1発の銃弾がカーク氏の命を奪ったと報じている。が、ネット上では疑問視する声が少なくない。(全2回の第1回)【写真を見る】風雲急を告げるトランプ大統領の切り札「美しすぎる司法長官」***
殺人などの容疑で逮捕されたタイラー・ロビンソン容疑者は過去に犯罪歴がなく、ユタ州の閑静な地域で育った優等生だった。担当記者が言う。

「ロビンソン容疑者は敬虔なモルモン教徒の家庭で育ちました。モルモン教徒は基本的に保守派で、彼の両親は共和党を支持者だったことが明らかになっています。容疑者は高校生の時に全米の統一試験で全国上位1%の成績を収めたことがあり、4年間の奨学金が保証された上でユタ州立大学に進学しました。ところが、なぜか数か月で退学しています。退学の謎にも注目が集まっていますが、軍歴など狙撃の訓練を受けた時期が全くないこともアメリカメディアは言及しています」

 日本のXを見てみると、《遠距離から一発で仕留めている。ゴルゴ13か? 》、《ガンショットが仕事でない若者が200ヤード離れた屋上から1発で命中するか? 》、《そんな若いのが180メートル離れたところから狙撃できるんかいな》──という具合に、ロビンソン容疑者の犯行という発表を疑問視する投稿が目立つ。

 実際、陸上競技場のトラックで100メートルの距離を見たことがある人は、180メートルと聞けば非常に長い距離に感じるはずだ。水泳の50メートルプールを知る人も同じ感想を呟くだろう。
「2024年7月、共和党の大統領候補だったドナルド・トランプ氏が選挙集会で演説中、20歳の男に狙撃されました。男は120メートル離れた屋上から8発を発砲しましたが全く命中せず、1発がトランプ氏の右耳を貫通しただけでした。ただし、集会の参加者1人が死亡しています。また1963年のJ・F・ケネディ大統領が射殺された事件は、リー・ハーヴェイ・オズワルドが容疑者として逮捕され、移送中の地下通路でナイトクラブ経営者の男に射殺されました。この事件はオズワルドが本当に犯人だったのか今でも議論が続いていますが、その射撃距離は諸説ありますが、直線距離で100メートル以内であるのは間違いありません」(同・記者)

 となれば、今回の「180メートル」は素人目には“長距離”に思えてしまう。だが、軍事ジャーナリストは「200ヤード=約180メートル離れたところからの狙撃は、狙撃の知識がある人なら誰もが“短距離”と口を揃えるはずです」と言う。

「一部のアメリカメディアは、ロビンソン容疑者は幼い頃から父親と共に鹿狩りや射撃訓練を経験してきたと報じています。これが事実であれば、ロビンソン容疑者にとって180メートルの距離は全く遠くなかったでしょう。アメリカが“銃社会”であるのは事実ですが、その内実は様々です。ギャングがピストルで殺し合いをしているだけが銃社会ではありません。アメリカには狩猟の文化があり、普通の会社員も週末に銃を使って鹿狩りをします。日本人が週末にゴルフや草野球に興じるのと何ら変わりありません」

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