世界平和統一家庭連合(旧統一教会)トップの韓鶴子(ハンハクチャ)総裁が、韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領の妻や側近に金品を渡した疑いで特別検察官に逮捕された。教団の資金には日本からの送金が含まれるとの指摘もあり、国内からも事件の実態解明を望む声などが上がった。
韓氏への逮捕状が発付されると、韓国メディアは一斉に速報で報じた。韓国メディアによると、信者の一部が韓氏の釈放を求めてソウル拘置所に集結したが、逮捕状の発付が伝えられると「釈放せよ」と泣き叫ぶ信者もいたという。
韓国の宗教問題に詳しい釜山長神大の卓志一(タクチイル)教授は、韓氏の逮捕について「教団の弱体化につながる」と指摘する。卓教授によると、現在の旧統一教会は、教団創設者の文鮮明氏の妻である韓氏が神格化され、そのリーダーシップで運営されてきたといい、「韓総裁のいない旧統一教会は想像しにくい」と語る。
また、日本の旧統一教会についても、「韓総裁の影響力が強い」と分析する。教団は文部科学省から宗教法人法に基づく解散命令を請求されたことで資金面でも圧迫を受けているとして、「日本の旧統一教会も弱体化は避けられないだろう」との見通しを示した。
日本で献金被害を受けたとする元信者らからは怒りの声が上がった。2022年に脱会するまで計約1700万円を教団に献金したという北陸地方の元信者の70歳代女性は「老後の資金を献金させられた。献金をトップが不正に使っていたとしたら許せない」と憤る。日本では教団の解散命令の是非について東京高裁で審理が進んでおり、女性は「教団は一刻も早く解散してほしい」と訴えた。
逮捕を受け、全国統一教会被害対策弁護団は23日に声明を発表。「違法な活動の背後にある教団の資金の原資は日本からの送金とみられ、元々は日本の被害者から奪い取ったお金だ」と指摘し、実態の解明を期待するとした。
一方、教団の日本本部は23日、X(旧ツイッター)で、韓氏には逃亡や証拠隠滅の恐れもないとした上で、「このような事態となったことは誠に遺憾です」とのコメントを掲載した。