世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の被害救済に取り組む全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)が20日、東京都内で集会を開いた。教団への解散命令が確定した場合の清算手続きの課題について報告があり、声明を採択した。【写真で見る】旧統一教会「聖地」にある韓総裁の住まい教団を巡っては、東京地裁が3月、文部科学省の解散命令請求に基づき解散を命じる決定を出した。教団側は東京高裁に即時抗告しているが、高裁が地裁決定を支持すれば、最高裁の判断を待たずに解散命令の効力が生じ、教団の財産を清算する手続きが始まる。
集会では、教団の財産が事実上の傘下宗教法人に移される可能性を指摘。宗教法人法では清算人の調査権限に関する規定が少ないことや、財産の移し先を宗教法人が決められることを課題として挙げた。
解散命令が確定した宗教法人の清算に関する指針案策定に向けた文化庁の検討会の進捗(しんちょく)状況についての報告もあった。清算人の権限が具体的に明記される一方、傘下宗教法人への財産移しを禁じる文言は盛り込まれないとみられる。
最後に、解散命令を受けた宗教法人と同一性が認められる団体に残余財産を移させない立法措置や、政府・政党・国会などに対して第三者機関による議員全員と旧統一教会との関係の調査を求める声明を採択した。
集会後の記者会見で、全国弁連の渡辺博弁護士は韓国で旧統一教会の韓鶴子(ハンハクチャ)総裁の逮捕状が請求されていることについて触れ、「捜査によって日本教会への解散命令にも良い影響が出てくると思う」との見方を示した。【宮城裕也、春増翔太】