今、全国の警察がユニークな動画づくりに取り組んでいます。そして熊本県警も9月、ある啓発動画を公開しました。この動画の目的とは…。
阿蘇警察署の会議室。厳しいまなざしの刑事たち。重大な事件の捜査会議かと思いきや…。
「笑いも大事です!面白くないと見ない」
一体何をしているのかというと…。
「悪いやつは許さない!!」
動画の制作です。出演するキャストは全員警察官!撮影は地元、阿蘇の企業が担当します。動画のテーマは「電話でお金詐欺」。警察官を名乗る犯人から詐欺の電話が。
(犯人役)
「無実が証明できます。100万円用意してください」
「電話でお金詐欺」の一連の手口を再現しながらストーリーが進みます。最後は阿蘇警察署の署員が見事に犯人を逮捕します!実はこうした啓発動画の制作に取り組んでいるのは熊本県警だけではありません。
広島県の警察署が制作したロマンス詐欺などの啓発動画。園児の歌をバックに警察官が踊るというシュールな内容ですが、SNSの総閲覧数はなんと1200万回以上にのぼります!
複雑で難しい詐欺を分かりやすく気軽に学んでもらうことで、被害の未然防止につなげたい。全国の警察が動画制作に力を入れる理由です。
熊本県警の動画のテーマとなった「電話でお金詐欺」。8月末時点の県内の被害額は6億6000万円以上。すでに去年1年間の被害額 (113件で約4億5000万円)を大きく上回り急増しています。2020年に始まった阿蘇警察署の啓発動画も3作目。今回もユーモア溢れる刑事ドラマ風のストーリーを楽しむことができます。
■熊本県警本部・松田洋昌さん
「『面白く』がまずテーマ。その中できちんと電話でお金詐欺を減らすためにみなさんに訴えかけたい」
刑事役を務める熊本県警本部、生活安全企画課の松田洋昌さんがこだわるのが『面白く』。どのように伝えるのかというと。
■松田洋昌さん
「警察官がスマホで逮捕状や警察手帳を見せることは絶対にありません。大事なことだから後2回言いますよ警察官がスマホで逮捕状や警察手帳を見せることは絶対にありません後、1回言いますよ!!」
手口がますます巧妙化する特殊詐欺。1人でも多くの人に見てもらい少しでも被害を減らそうと警察官たちが奮闘しています。撮影された動画は阿蘇市の公式YouTubeチャンネルで配信されています。