《母親がマルチ商法に3000万》娘が借金525万円を立て替えても解けなかった“洗脳”の恐ろしさ、母は「アンタはバカだ、早死にするよ」と言い放った

父が遺した3000万円が、わずか数年でゼロになった──。原因は、母親がのめり込んだ「がんが治る」と謳うマルチ商法だったという。【写真】実家で見つけたB社株の申込書。『9株/30万』の欄に丸がついている
夫の死への後悔と病への恐怖につけ込まれ全財産を失った母親と、彼女を救おうとする家族の戦いの日々はあまりに壮絶だ。「マルチ2世」として発信している祐子さんに過去について聞いた。【前後編の前編】
──お母さんについて教えてください。

「母は高卒で地元の信用金庫に就職し、60歳過ぎまで働いていました。性格は明るく楽観的で、私ともずっと仲がよかったんです。

ただ、母は3歳のとき実母を結核で亡くしたせいか、健康や病気予防にこだわる人でした。そして他人を疑わないので、言われたことをすぐ信じてしまうんです。私の弟がアトピー性皮膚炎で、周囲に『ステロイドや病院の薬はダメ』と言われたのも影響しています。病院嫌いで、民間の健康法やスピリチュアルなものが好きでした」

──たとえばどんなものに?

「オーラが見えるというイベントに行ったり、60歳の頃は手から波動を出すという健康法にハマり、『20万円払って資格を取った』と言うんです。私は止めたんですが『自分で稼いだお金なんだからいいでしょう』と。

もっとも、母は飽きっぽい性格で、ひとつのものに長くのめり込まなかったので、私も深刻には考えていませんでした」
──転機はなんだったのでしょう。

「父が60歳目前で若年性認知症になり、さらに母が66歳で乳がんにかかりました。その頃から、母は気持ちの浮き沈みが激しくなったんです。そして父は2020年に亡くなりました。

 その後、母が軽い脳梗塞で入院したので私が実家に寄ると、とんでもないものが出てきたんです。『大変なことになっている』と青くなりました」
──何があったのでしょう。

「ゴミ屋敷のような実家で目に入ったのが、『株譲渡希望申込書』という1枚の紙。その中の『9株/30万』という申込欄に丸がついていたんです。これはただ事じゃない、まずいと血の気が引きました」

──株式の購入申込書だったのですね。

「ええ。物品ならば形が残ります。でも投資は目に見えないから、とんでもない額の被害になる。今までとは全く違うと感じました。

 母にいくら使ったのか聞きましたが、金額は一切言わず口をつぐむばかり。言えないほどの金額を使っていると思い、『それなら銀行口座を確認させて』と頼みましたが、自分のバッグを頑として触らせないんです。通帳も常に持ち歩くようになったので、残高はわからないままでした」

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