【ソウル竹次稔】在韓日本大使館前に設置されている従軍慰安婦の被害を象徴する少女像を巡り、警察は1日、周辺に設けていた侵入防止柵を約6年ぶりに一時撤去した。少女像設置を批判する保守系団体の代表が名誉毀損(きそん)などの疑いで拘束され、現地でのトラブルのリスクが低下したことなどが理由という。■一時的に撤去される在韓日本大使館前の少女像周辺にあった侵入防止柵【動画】慰安婦問題を追及する韓国の市民団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連)などの訴えで柵が設置されたのは2020年6月だった。現地で日本に謝罪を求める「水曜集会」を継続して開催してきたが、近くで保守系団体が慰安婦問題を「詐欺」と否定するデモなどを実施。団体の代表は、情報通信網法に基づく名誉毀損などの疑いで3月20日に逮捕された。
1日は正午からの水曜集会に合わせて一時撤去され、正義連の事務総長は「市民が像に近づけることを歓迎する。市民の関心が像を守ることにつながる」と訴えた。韓国メディアによると、侵入防止柵を全面的に撤去するかは、現場の状況を見て、4週間後に判断する見込み。
李在明(イジェミョン)大統領は1月、保守系団体の動きに対し、表現の自由を逸脱した名誉毀損だと批判。国会でも2月、慰安婦問題について「被害事実に関する虚偽」を流布した場合、5年以下の懲役か5千万ウォン(約520万円)以下の罰金を科すことを柱とした法律が可決された。
政府は3月末、政府登録の元慰安婦240人のうち生存者は5人(平均年齢95歳ほど)になったと発表。李氏はX(旧ツイッター)に「政府は被害者の名誉と尊厳を回復するため、できるすべてを尽くす」などと投稿した。