「成績優秀」巡査部長が不正主導、閉鎖性から同僚も意見言えず…神奈川県警が警官7人書類送検

不適切な方法でスピード違反を取り締まったなどとして、神奈川県警は20日、2716件の交通違反を取り消すと発表した。交通反則金約3400万円を返還する。約1100件を対象に、「一般」に格下げされた運転免許区分を「優良」に戻すなどの対応も取る。不正を主導したのは「経験豊富な取り締まりのプロ」と評される巡査部長。周囲が異を唱えることはなかったという。(横浜支局 佐野真一、北川穂高)
県警の今村剛本部長は20日の臨時記者会見で「取り締まりに対する信頼を大きく損なった」と陳謝した。
問題に絡み、警察庁と県警は退職者5人を含む24人の処分を発表した。現職の懲戒処分者は8人で、不正を主導した40歳代の巡査部長は免職とした。不正が発覚した2024年当時の和田薫・県警本部長らは口頭厳重注意などとした。
県警はまた、交通反則切符に虚偽の記載をしたなどとして、第2交通機動隊第2中隊の第4小隊に所属していた7人を虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで横浜地検に書類送検した。巡査部長は県警の調べに「一件でも多く取り締まりたかった。間違った正義感だった」と話している。
7人は22~24年、速度超過の取り締まりなど9件で、交通反則切符や実況見分調書に虚偽の内容を記載した疑い。速度の取り締まりでは、速度計測のために対象車両を追尾した距離を実際より長く偽り、調書の作成では現場に出向いて実況見分をしたと装っていた。
警察庁と都道府県警本部は再発防止策として、捜査書類を点検する「巡回指導官チーム」を新設。警察官に取り締まりの基本や捜査書類の作成を指導する。
不正の背景には第4小隊の「閉鎖性」がある。巡査部長は成績優秀者として表彰されたこともあるといい、同僚隊員は「無理な取り締まりが嫌で仕方ない」と思っても、意見を伝えることはできなかった。隊員が他部署の警察官と交流する機会は少なく、県警本部の目も届いていなかった。

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