韓国の非常戒厳から1年 12月3日を「国民主権の日」に制定した狙いは?

韓国の「非常戒厳」から1年となった3日、ソウルでは大規模な集会が開かれた。李在明大統領は12月3日を「国民主権の日」に制定すると発表した。【画像】李在明大統領 12月3日を「国民主権の日」に定めるという特別声明
3日、韓国・ソウルで大規模な集会が開かれ、尹前大統領や当時与党だった「国民の力」への責任追及などを求める声があがった。

 集会には李在明大統領も参加する予定だったが、警護上の理由で急きょ取りやめとなった。

 国会前には軍の特殊部隊まで投入され、市民らと衝突。一触即発となった原因は、当時、尹錫悦大統領が発令した非常戒厳だった。

尹錫悦大統領(2024年12月3日)
「自由と憲政秩序を守るため非常戒厳を宣布します」

 その後、尹氏は今年1月、非常戒厳を巡る内乱の疑いで現職大統領として初めて逮捕。さらに先月、非常戒厳の名目を作るため軍に指示を出し、北朝鮮に無人機を飛ばし、韓国への攻撃を誘発しようとしたとして追起訴された。

 その無人機を飛ばしたとされる韓国最西端の島・ペンニョン島へ、先月取材班が向かった。

 展望台からみると、奥に北朝鮮が見える。ペンニョン島は北朝鮮からわずか15キロの距離にある。島内には非常時に使うシェルターもあり、まさに“最前線”にある島だ。

島民
「怖かったです。平穏に暮らしている住民を手段にして、自分たちが何かを成し遂げようとしたこと自体が荒唐無稽です」

 島を取材すると、島民からは緊張をあおる行為だと憤りの声があがった。さらに、無人機の音を聞いたと話す島民もいた。

無人機の音を聞いたと話す島民
「サツマイモを掘りに2日来たんだよ。(無人機の)音が2日ともしたんだよ。島民が攻撃を受けてでも自分たちの政権を維持するためにしたのだから、むなしい気持ちだ」

 非常戒厳から1年が経った3日、李在明大統領は12月3日を「国民主権の日」に定めるという特別声明を出した。

李在明大統領
「世界史で類を見ない民主主義の危機を平和的に克服した韓国の国民こそ、ノーベル平和賞を受賞する資格がある」

 狙いはどこにあるのか。韓国政治に詳しいキヤノングローバル戦略研究所の伊藤弘太郎主任研究員は、こう話す。

「去年のこの事件は、どれだけ異常だったかと。我々の民主主義に対する挑戦だったんだということを正当性のアピールっていうのをしっかりやったのかなと思っています」

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする