【カイロ=西田道成、ワシントン=池田慶太】イランでの物価高騰などに端を発した抗議デモは11日も続いた。米国に拠点を置く人権団体のニュースサイト「HRANA」によると、治安部隊との衝突に伴い、死者は544人に達し、逮捕者は1万人を超えた。当局の弾圧を受け、米国のトランプ大統領は11日、「いくつかの非常に強力な選択肢を検討している。我々は決断を下すだろう」と述べ、介入姿勢を強調した。【動画】遺体安置所には抗議デモで亡くなった人の遺体が並べられ、家族らが殺到
「HRANA」の11日のまとめによると、死者のうち、デモ参加者や民間人が496人に上り、治安要員らは48人だった。さらに500件以上の死亡事例を調査中だとしており、犠牲者はさらに増える見込みだ。
英BBCは12日、首都テヘラン郊外に設けられた仮設の野外遺体安置所に次々と遺体が搬送され、家族を捜す人々が集まっていると報じた。
デモ参加者が殺された場合の軍事介入を警告してきたトランプ氏は11日、「(イラン側は)一線を越え始めている」との認識を示した。大統領専用機内で記者団に語った。デモについては「抗議者たちは自由を求めている。イランは長い間、自由を認めてこなかった。彼ら(抗議者ら)は包囲され、銃で撃たれているようだ。非常に悪いことだ」と述べた。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は、トランプ氏がイラン対応を巡り、13日にルビオ国務長官やヘグセス国防長官らと対応策を協議すると報じた。米政権内では軍事攻撃のほか経済制裁やサイバー攻撃などが検討されているという。
トランプ氏は、現地でインターネットが遮断されていることを踏まえ、米宇宙企業スペースXの衛星通信網「スターリンク」の提供に向けて同社トップのイーロン・マスク氏と話し合う考えを示した。
イラン当局は、米国の介入姿勢に反発している。モハンマドバゲル・ガリバフ国会議長は11日の議会演説で、「イランを攻撃した場合、占領地(イスラエル)と地域内の米軍基地や艦船は正当な標的となる」と警告した。