愛護団体会員宅に百数十匹の死んだ猫、虐待疑う情報から立ち入りまで1年…現地調査などの厳格化を検討

熊本市北区の住宅で6月、百数十匹の猫が死骸で見つかり、飼育していた動物愛護団体会員の女が動物愛護法違反(虐待)容疑で逮捕された。虐待を疑う情報は昨年7月には寄せられていたが、市が立ち入り調査を行ったのはそれから約1年後だった。同様の事件を未然に防ぐため、県は登録団体について、現地調査などを厳格化させることを検討している。【写真】祭壇の前で花を手向け、猫たちの冥福を祈る参列者
8月10日、女が所属していた団体とは別の県内4愛護団体の共同開催で、死んだ猫たちの慰霊祭が営まれた。4団体は住宅から生存している猫を保護したり、死骸を回収したりした。
「1週間早ければ、この子は生きてここを出られたのではないかというご遺体もありました」。代表の一人はそう言葉を絞り出した。女に猫を預けていた人も含めて約150人が花を手向け、犠牲になった猫の冥福を祈った。
県警は13匹を衰弱死させたり、別の12匹を不衛生な環境で飼育したりする虐待を加えたとして、9月18日に女を逮捕。その後、熊本地検は処分保留で釈放し、任意で捜査が続けられている。
付近住民は昨年夏には、この住宅周辺の異常に気づいていた。
一帯は児童の通学路になっていたが、複数の住民は読売新聞の取材に「家から漂う臭いがひどく、子どもたちが通れなくなっていた」と証言。中には、「昨年11月に市に相談した」と話す住人もいた。
熊本市動物愛護センターによると、職員は昨年7月には現地を訪ねていたが、女は不在で事情は聞けなかった。再訪問や応対を求める文書の投函で接触を図ろうとしたが会えないまま、同11月には「(住宅)敷地内の車内に子猫が閉じ込められている」という通報を受けた。その際は、熱中症に陥るような緊急性は高くないと判断。後日の訪問で、女は「猫1匹を飼っており、子猫はいない」と話したため、室内を確認するなどの対応は取らなかったという。
同センターへの年間の相談件数約1500件のうち、現地確認を行うのは約300件に上る。しかし、主に対応する職員は4人で手が回らないという。

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