韓国特検、旧統一教会・韓鶴子総裁の逮捕状請求可否を検討か…母親が1億円超献金被害の日本人女性は憤り

【ソウル=藤原聖大】韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領の妻、金建希(キムゴンヒ)氏の不正疑惑を巡り、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の韓鶴子(ハンハクチャ)総裁が17日、特別検察官の事務所に出頭した。韓氏は金氏や尹氏の側近に金品を渡し、教団への便宜を図るよう依頼した疑いがある。特検は旧統一教会が資金力を背景に尹政権に影響力を行使したとみて、韓氏の事情聴取を行った。【動画】韓鶴子氏、手を引かれながら特別検察官の事務所に出頭
一連の疑惑を巡り、韓氏が事情聴取されるのは初めて。韓氏は17日午前10時頃から同日夜まで聴取を受けた。特検は逮捕状の請求の可否について検討しているとみられる。
韓国・聯合ニュースによると、尹氏が当選した2022年3月の大統領選直後の同年4~7月、韓氏は旧統一教会ナンバー2だった元世界本部長のユン・ヨンホ氏(請託禁止法違反などで起訴)と共謀し、ユン氏を通じて金氏(あっせん収賄罪などで起訴)にブランドバッグなどを渡し、教団の事業への便宜を図るよう依頼した疑いが持たれている。
また、保守系政党「国民の力」の国会議員で、尹氏の最側近の権性東(クォンソンドン)氏(政治資金法違反容疑で逮捕)に22年1月、ユン氏を通じて約2か月後の大統領選で旧統一教会の組織票を尹氏に入れることを約束し、約1060万円相当を渡して教団への支援を要請した疑いもある。
一連の疑惑の捜査で、ユン氏は「韓総裁から決裁を受けた」と供述したが、韓氏は8月、「違法な政治的請託や金銭取引を指示したことはない」との声明を出し、関与を否定している。
旧統一教会側は実際に、金氏や権氏から便宜を受けていた可能性がある。
韓国メディアによると、尹氏の大統領就任から約2か月後の22年7月、金品を受け取った金氏はユン氏に電話し、「政府の次元で統一教会に助けを与えるため努力している」と約束した。尹氏は23年8月、大統領直属の「民主平和統一諮問会議」の高位職に旧統一教会関係者を任命しており、特検は関連を調べている。

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