<2026年熊本地震>〝火事場泥棒〟許すな 熊本県警が警戒強める 2016年熊本地震、2024年能登地震でも多発 全国から応援、防カメ増設

2026年熊本地震の被災地で、空き巣被害や不審者の訪問が相次いでいる。10年前の熊本地震でも災害に乗じ、倒壊した家屋や避難所を狙った〝火事場泥棒〟が多発した。熊本県警は被災地に防犯カメラを増設して対策を強化。応援に駆けつけた全国の警察と連携し、警戒を強めている。

 最大震度7を観測した宇城市。14日夜、熊本県警の警察官2人が赤色灯をつけたパトカーで集落を巡回していた。倒壊家屋の周辺では車を降り、ライトを照らす。県警地域課の佐藤秀一警部補(46)は「他県の警察ともワンチームで警戒に当たっている。パトロールを強化して犯罪を防ぎ、被災者の安心につなげたい」と人けの少ない路地の隅々まで目を光らせた。

 警察庁によると、11日正午時点で災害に便乗した窃盗などの被害は6件確認されている。8日には、地震発生後に車中泊をしていた上天草市の男性宅からエアコンの室外機を盗んだとして、無職の男(47)が逮捕された。
被災地の警察署にはこのほか窃盗などの被害相談が複数寄せられている。県警幹部は「火事場泥棒は被災者が被害を認識するのに時間がかかる。今のところ被害件数は多くない印象だが、今後増えるかもしれない」と危機感を口にする。

 被災者も不安を感じている。避難所で生活する宇城市の女性(72)宅には地震後の昼間、玄関を開けようとする不審な人物が訪れた。女性は留守だったが、近所の住民が通報。警察官が駆けつけると逃げていったという。女性は「まさか昼間に空き巣が来るなんて」と顔をこわばらせた。

 被災者を狙った窃盗事件はこれまでも繰り返されてきた。16年の熊本地震では地震に関連した窃盗事件が1年間で91件確認された。24年の能登半島地震でも石川県輪島市など奥能登4市町の窃盗犯の認知件数は前年の2倍に増えた。

 過去の教訓から県警や警察庁が力を入れるのが防犯カメラの設置だ。火事場泥棒への警戒心が避難をためらわせる要因にもなるとして、避難所や倒壊した家屋の周辺で約950台の設置を進める。

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