今月13日から施行の国旗損壊処罰法。処罰対象の曖昧さなど複数の問題点が指摘されるが、そもそも「国旗を大切に思う国民感情」は保護されるべきなのか?【写真】抗議のために掲げられた「バツ印」をつけた日の丸不快感・嫌悪感を根拠に表現の自由を制限することとなるこの法律の問題点を弁護士、倫理学者に聞いた!
【国旗損壊罪を支持する人の心理】
7月17日、自民・維新・国民民主・参政の4党が共同で提出した国旗損壊処罰法案が、参議院本会議で可決・成立した。
法律は今月13日から施行される予定で、「人に著しく不快または嫌悪の情を催させるような方法」で「公然と国旗を損壊」した場合、2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金を科すことを定めている。
国会での審議中から大きな論点のひとつとなっていたのが、「いったいこの法律によって何を守りたいのか」という点だ。
自民党を中心とする法案提出者らの説明によると、「国旗を大切に思う国民感情を守ること」がこの法律で保護される利益だという。そこで、実際に国旗を大切に思っているという男性(30代、東京都在住・会社員)に、国旗が傷つけられるとなぜ不快に感じるのか、話を聞いてみた。
「自分は日本という国にアイデンティティを持っていて、その象徴たる国旗を公衆の面前で意図的に損壊されることに対して強い抵抗感を感じます。デモなどで国旗を壊されるのはすごく嫌で、ニュースでそれが映るとチャンネルを変えるくらいには嫌いです」
それほど強い感情を抱く理由はどこにあるのか?
「それが自分に対する攻撃だというふうに受け取るからだと思います。日本人であることが強いアイデンティティだから、国旗はある意味で自分の象徴でもある。それを攻撃されることに強い拒否感があるんです」
各種世論調査では50%以上の人が国旗損壊処罰法の制定に賛成しており、彼の感覚はそれなりに多くの人々が共有しているものかもしれない。
【合憲として生き残る余地はまずない】
では、この国旗損壊罪の是非は、憲法を含む法的観点からはどのように考えられるのか。日弁連や東京弁護士会で憲法問題に取り組む棚橋桂介弁護士に聞いた。