「原告の全面勝訴」“松橋事件”の控訴審判決 警察の違法性も認め、国と県に連帯賠償命令

1985年に起きた冤罪事件、いわゆる「松橋事件」をめぐり、殺人罪で服役後、無罪となった男性の遺族が国や熊本県に損害賠償を求めている裁判の控訴審で、福岡高等裁判所は、国に加え、県の責任も認める判決を言い渡しました。【写真を見る】「原告の全面勝訴」“松橋事件”の控訴審判決 警察の違法性も認め、国と県に連帯賠償命令■原告が”全面勝訴”

記者「原告の全面勝訴です。裁判所は国と県に連帯して賠償の支払いを命じました」

検察側だけでなく、熊本県警の捜査の違法性も認めた原告全面勝訴の判決に、弁護団や支援者達からは喜びが広がりました。

■”松橋事件”と事件をめぐる訴訟とは

この事件は1985年、当時の松橋町、現在の宇城市で男性が殺害され、知人だった宮田浩喜さんが殺人罪に問われたものです。

宮田さんは「自白を強要された」として無実を訴えていましたが、懲役13年の判決が確定して服役しました。

その後、自白と矛盾する証拠が見つかり、再審=裁判のやり直しで、2019年に無罪となりました。

無罪が確定した宮田さんは、検察や警察の捜査の違法性を問うため損害賠償を求める裁判を起こし、宮田さんが亡くなった後は遺族が裁判を引き継いでいました。

一審の熊本地裁は、検察側の対応の違法性は認める一方、警察側については認めず、宮田さん側と国側の双方が控訴していました。

27日の控訴審判決で、福岡高裁の岡田健裁判長は、一審判決を変更し、「逮捕前に9日間にわたって警察が行った取り調べは、宮田さんが犯人だと決めつけ、自白させる目的だった」として、県の違法性も新たに認め、国と県が連帯して賠償するよう命じました。

■逮捕前の取り調べは「任意捜査の限度を超えて違法」

逮捕前の9日間に、81時間にわたる宮田さんへの取り調べについて、一審の熊本地裁は「長時間ではあるが、食事や休憩もあったので、違法とまでは言えない」としました。

しかし7月27日の控訴審判決では、「取り調べは極端に長時間で自白させることが目的であり、任意捜査の限度を超えて違法」と判断しました。

判決を受けて県警の渋谷明紀・首席監察官は「判決内容を精査し、今後の対応を検討する」とコメントしました。

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