会社経営の男性を殺害し、キャッシュカードを奪ったうえ、琵琶湖に遺体を遺棄した罪に問われた元風俗店店員の女の裁判。大津地裁は6月16日、無期懲役の判決を言い渡した。
なぜ彼女は「強盗殺人」という罪を犯すに至ったのか。
判決で「自己中心的で厳しく非難される」と断罪された犯行の背景には、借金を重ねてまでホストクラブへ通い詰める「ホスト依存」の実態があった。【写真を見る】送検される市橋由衣被告(おととし)
判決などによると、元風俗店店員の市橋由衣被告(29)は、客だった加藤徹被告(47)と共謀し、2024年、愛知県あま市に住む不動産会社社長の男性(当時55)を殺害し、キャッシュカードを奪ったうえ琵琶湖に遺体を遺棄するなどした。
市橋被告はホストクラブに費やした借金を返済できず、風俗店の客だった加藤被告に強盗殺人を持ちかけたという。【全2回・後編】
愛知県あま市にある男性の家に押し入った市橋被告と加藤被告。
男性が帰宅すると首を絞めて殺害し、琵琶湖に遺体を遺棄。さらに奪ったキャッシュカードなどから現金400万円を引き出した。
その3週間後、2人は男性の会社の口座から現金を引き出した窃盗の疑いで逮捕された。その後、男性を殺害した疑いで再逮捕されている。
裁判の4日目。求刑を前に裁判官が被害男性の娘の心情を読み上げた。
被害男性の娘「離れて暮らしていても大きな出来事です。2年という月日がたっても、事件について考えます」「失われた命は戻りません。自分のしたことに向き合い、責任の重さを受け止めてほしいです」
検察側は論告で、市橋被告がホストで豪遊した結果、知人から重ねていた借金の返済が滞りがちになり、推しのホストが所属するホストクラブ経営者にそのことが発覚しそうになったことなどから、被害男性から金品をとろうと計画したと指摘。「残忍かつ執拗な犯行でそれなりの計画性がある。自己中心的で利欲的で酌量の余地がない」などとして無期懲役を求刑した。