大阪地検特捜部の取り調べで厳しい口調で罵倒するなどしたとして、現職の検事が罪に問われた異例の裁判。きょう(10日)の初公判で、検事は無罪を主張しました。
田渕大輔検事
「検察官の職務に基づき取り調べた。 陵辱・加虐に当たる行為ではなかった」
こう無罪を主張したのは被告で、大阪地検特捜部に所属していた田渕大輔検事。
違法な取り調べをした罪に問われ、刑事裁判を開く決定がされてから2年。
10日、裁判が始まりました。
プレサンスコーポレーションの元社長、山岸忍さんは2019年、横領事件で特捜部に逮捕・起訴され、その後の裁判で無罪が確定しました。
無罪の決め手となり、今回、違法性が問われることになったのがーー。
田渕大輔検事
「(机叩く音)嘘だろ?」
「検察なめんなよ。命かけてるんだよ、俺たちは。あなたはプレサンスの評判をおとしめた、世間の評判をおとしめた大罪人ですよ」
山岸さんの元部下への取り調べを担当した田渕検事による威圧的な取り調べです。
山岸さんは田渕検事を刑事告発したものの、大阪地検が不起訴処分としたことから、 裁判所に刑事裁判を開くように請求。
おととし(2024年)大阪高裁が「一連の言動は陵虐行為に当たる」として、刑事裁判を開くことを決定しました。
この決定を「付審判決定」といい、現職の検事に対し適用されたのは史上初、異例のことです。
裁判の争点は、検事の言動が精神的に苦痛を与える「陵虐」にあたるかどうかーーさらに。
指定弁護士(検察官役)
「我が国の取り調べの在り方が根底から変わることになる事件」
冒頭陳述で、検察官の役割をする弁護士はこう指摘。
検察内部で怒鳴り続けた言動が大きく問題視されることはなかったと、組織の体質にも言及しました。
山岸忍さん
「驚きましたというかあきれましたというか。田渕さんの取り調べを検察庁特捜部の皆さんが、誰もあれが違法でひどい取り調べだと思っていなかったということが今日明らかになりまして。これはもう異常な事態なので、また冤罪起こすでしょうと、またやるでしょと」
検察組織の「捜査」の在り方が問われる裁判。次回の公判では、取り調べの映像も再生される見通しです。