中国で拘束されているのは日本人だけではない…拘束された米国人、背景にある「ミャンマー利権」とは

中国当局は2026年6月、アメリカ人、ミン・ジンをスパイ容疑で逮捕した。

事情に詳しい者は逮捕容疑を、戦乱下にあるミャンマーで拡大する中国の利害や影響力、さらには干渉の実態をあまりにも鋭く暴いたためだと本誌に語った。【動画】ミン・ジンの逮捕は、中国のCIAに対するアクションだったのか?ミン・ジンは6月3日、雲南省昆明市で開かれた中国政府後援の会議に講演者として招かれていた。その突然の消息不明になったため、外国人研究者が業務で中国を安全に訪れられるのかという不安も広がった。

タイを拠点とする戦略政策研究所ミャンマー(ISPミャンマー)の事務局長であるアメリカ市民の釈放に向け、米国務省はさらに行動すべきだとの声も巻き起こった。同研究所は、暴力と軍事的複雑さからシリアになぞらえられてきた、戦乱下の東南アジアの国について詳細な地政学的分析を発表している。

既に拘束から30日以上が経過したため、中国法の下、正式に起訴される可能性があるが、実際に起訴されるかは今なお不明だ。

本誌は在米中国大使館にコメントを求めている

人権団体セーフガード・ディフェンダーズのローラ・ハースは「問うべきは、なぜ彼なのか、なぜ今なのか、ということだ」と述べた。

また、事情に詳しい匿名の人物は「中国がミャンマーに関してミン・ジンを排除したい理由は多くある」と語った。

「中国にとって戦略的に重要なミャンマーで、彼の活動が中国側の思惑を妨げていたということだ」
中国がミン・ジンの逮捕を発表したのは6月12日。ミャンマー大統領で元軍指導者のミン・アウン・フラインが初の国賓訪問として北京を訪れるわずか3日前だった。

ミャンマーの指導者は、中国訪問の直前にインドも訪問している。インドも中国と同様、ミャンマーと国境を接しており、同地域に戦略的利益を有している。

先週末に発表されたISPの分析は、この2つの訪問を比較し、同政権が政治的・軍事的な影響力を求めてインドへの接近を強めている一方で、なお「中国の避けがたい影響力につなぎ留められている」と指摘。この研究によると、訪問中に企業間の覚書が約70件、国家レベルの合意が18件署名された。

さらに、中国はグローバル発展イニシアチブ、グローバル安全保障イニシアチブ、グローバル文明イニシアチブ、グローバル・ガバナンス・イニシアチブといった、中国主導の国際秩序を打ち出すための包括的な構想に対し、ミャンマーの「正式な協力」を確保することに「明確な重点」を置いていたという。

「中国の影響力は衰えていない。ミャンマーでは中国が圧倒的な存在感を持ち、その影響力はさらに強まっている。私はそれが変わるとは見ていない……ミャンマーの現政権は中国の支援なしには存続できない。中国に取って代わるほどの影響力を持つ外部勢力は見当たらない」と、ニューヨークを拠点とする外交問題評議会で東南アジア・南アジア担当シニアフェローを務めるジョシュア・カーランツィックは述べた。

「ミン・ジンは彼の活動を止めるために逮捕されたのは明らかだ。同時に、アメリカがそれに対して何か行動を起こすのかを試すためでもあった……そしてアメリカはほとんど何もしていない」

ミン・ジンは、ミャンマーにおける中国の経済的・戦略的利益について幅広く執筆していた。その中には、2021年のクーデター後に急増した違法かつ無規制のレアアース採掘事業も含まれる(中国企業はミャンマーのレアアース採掘に深く関与している)。

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