ディーン・フジオカ主演のドラマ『LOVED ONE』(フジテレビ系)が完結を向かえた。本作は、日本社会が抱える“死因不明”という問題に真正面から切り込み、“遺された痕跡”を手がかりに、隠された真実と故人が生きた証を解き明かしていく法医学ヒューマンミステリーだ。今回は、最終話のレビューをお届けする。(文・あまのさき)【写真】春ドラマの隠れた名作…貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『LOVED ONE』最終話劇中カット一覧
真澄(ディーン・フジオカ)にとって心残りとなっている「白峯女子連続殺害事件」。真澄の恩師・九条(小木茂光)の鑑定によって逮捕された芹沢真一(渋谷謙人)はすでに死刑が確定しているが、姉の明子(りょう)はいまだに真一の無実を信じて活動を続けていた。
明子から当時の裁判資料を託された真澄と麻帆(瀧内公美)は、堂島(山口紗弥加)も交えて確認を行うものの、動機や凶器に関する記述、そしてDNA鑑定と、真一の犯行を裏づけるのに必要な根拠がそろっており、判決を覆せるような糸口が見つからない。
そんななか飛び込んできた、死刑執行のニュース速報。緊張の数分ののち、明子から麻帆へ、刑が執行されたのは真一とは別の死刑囚であることが伝えられる。いつどんなタイミングで下されるかわからない“そのとき”を待ちながら過ごす、真一と明子の日々を思うと胸が張り裂けそうだ。2人の苦痛はいかばかりか。もはや一刻の猶予もないことがよくわかる。
九条の娘・恭子(伊藤歩)が、当時の資料を処分したと真澄に告げたことを知った麻帆は、手がかりを得るべく白峯町に足を運んでみることを決意する。
1人目の被害者の母親の話と明子の話をあわせると、白峯事件に関連して、当時の白峯町では被害者の後を追った恋人と、白峯事件の捜査に疲弊した警察官、“2人の自殺者”が出ていたことが明らかになった。
一方の真澄は、新たな証拠を得るために6人目の被害者の鑑定をしたいと堂島にお願いをする。司法解剖すら受け入れ難く、一刻も早く娘の遺体を引き取りたいご遺族にとって、あまりにも無茶な相談だった。
それでも堂島は、解剖をしようとしている法医学者がいかに有能で、しかもご遺体とご遺族のことを考えて事件に向き合ってきたかを伝え、真摯に頭を下げる。その結果、ほんの数時間だけ、猶予が与えられることになった。
ご遺体を見たときに感じた真澄の違和感――それをきっかけに明らかになったのは、被害者が犯人に噛みついた可能性があることだった。
残された痕跡から、傷害罪で服役していた前歴のある内山という男が浮かび上がる。出所後の生活が困窮を極めた内山は、世間を見返すためという身勝手な理由で6人の女性たちを殺害したことを認めた。しかし、15年前の白峯事件については容疑を否認。
そこで堂島は、6人目の被害者以外を殺害した証拠が残っていないと内山を執拗に挑発する。見つけた獲物を逃がすまいとまとわりつくような視線。堂島、もとい山口紗弥加の圧巻の迫力だった。警察にバレずに犯行を重ねたことが世間への復讐でありプライドとなっていた内山はこれに激高し、15年前の事件をも認める供述をはじめた。