危険な運転、生徒「死ぬかも」 磐越道マイクロバス事故から1週間

福島県郡山市熱海町の磐越道上り線で、マイクロバスがガードレールに衝突するなどして北越高(新潟市)の男子生徒1人が死亡、17人が重軽傷を負った事故は、13日で発生から1週間。バスを運転していた新潟県胎内市、無職の男(68)=自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで逮捕=の過去の事故歴や生徒らの証言が明らかになる中、県警は当時の状況や男の運転能力などを調べ、事故原因の解明を急ぐ。

 捜査関係者によると、生徒が事故前、運転に危険を感じ「死ぬかもしれない」とのメッセージを保護者に送ったり、走行時の様子を撮影したりしていた。男は運転技術や体調について「運転に支障はなかった」と供述したというが、生徒らは運転に強い不安を感じていたとみられる。関係者によると、男が事故5日前の今月1日、修理業者から借りた代車で新潟県村上市の日本海東北自動車道を走行中に車2台に追突する事故を起こしたことも判明した。
事故は6日午前7時40分ごろ発生。バスは道路脇のクッションドラム(緩衝設備)にぶつかり、ガードレールが突き刺さった後も止まらず、20~30メートル走行した。死亡した3年の生徒(17)=新潟市=は、車内を貫通したガードレールに押し出されるようにして車外に放り出された。重傷の生徒もガードレールにぶつかったことで骨を折るなどした可能性が高いという。ある捜査関係者は「ガードレールがバスを貫通さえしなければ、ここまで大きな事故にならなかっただろう」と話した。
死亡した男子生徒について、男子ソフトテニス部の顧問は10日に開かれた記者会見で「先輩や大人からすると、かわいがられるような人懐こい性格の生徒で、後輩の面倒をすごく優しく見てくれる子だった」と人柄を語った。

 「実力的に彼より上手な下級生も入ってきた。そんな中でも、明るく活動し、チームの盛り上げ役になってくれた」と話した。
マイクロバスは事業用ではない「白ナンバー」で、運転していた男は旅客運送が目的の車を運転するのに必要な「2種免許」を持っていなかった。報酬を受け取っていた場合、違法な「白バス」行為に当たる恐れがあり、県警は道路運送法違反の容疑での立件も視野に捜査する。

 交通犯罪論などを研究する東京都立大の星周一郎教授によると、道路運送法の「白バス」行為に該当するのは、有償で旅客を運送する事業を「経営している」と認定され、無許可で運行していた場合という。経営として成り立つかどうかは、報酬の有無や繰り返し継続して行う可能性があったかなどで判断される。

 星教授によると、過去に報酬目的で自身の白ナンバーの車を使い、旅客運送を繰り返して同法違反と認定された判例はあるが、バス運行会社によって紹介された第三者の個人が白ナンバーのレンタカーで人を運んだことが罪に問われた事例はないという。星教授は今回のケースについて「法の抜け穴的なやり方をしている」と指摘。一方で、同様の行為は世間で常態化している可能性があるとし、運転手を紹介したとされるバス運行会社などに捜査の手が入ることで「警鐘を鳴らすことになる」と語る。

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