福島県郡山市の磐越自動車道で高校生20人を乗せたマイクロバスがガードレールなどに突っ込み、男子生徒1人が死亡した事故で、バスを運転し、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで逮捕された新潟県胎内市、無職若山哲夫容疑者(68)が「居眠り運転はしていない」などと供述していることが捜査関係者への取材でわかった。事故当時は、制限速度が時速80キロの区間を「90~100キロで走行し、(カーブを)曲がりきれなかった」などとも話しているという。【写真】ガードレールが車体を貫通した
福島県警は8日、ドライバーを紹介し、レンタカー業者にバスを手配した新潟県五泉市のバス会社「蒲原鉄道」を同法違反の疑いで捜索した。捜索は約9時間に及び、捜査関係者によると、茂野一弘社長らに聞き取りを行ったほか、バスを手配した記録などを確認した。バスに乗っていた生徒は県警に対し、事故前に休憩を取ったなどと説明しているという。
バスの運行を巡っては、死亡した稲垣尋斗さん(17)が通っていた北越高校(新潟市中央区)と蒲原鉄道の説明の食い違いが目立っている。
同社は6日の記者会見で、学校側が送迎費用を抑えるため、貸し切りバスではなくレンタカーの利用を希望し、同社の営業担当者に伝えたと説明した。
これに対し、同校の灰野正宏校長は7日の記者会見で、送迎には貸し切りバス事業を行う同社のバスと運転手が手配されることを想定していたとし、レンタカーや社外のドライバーを利用すると知っていれば「当然学校としては受けなかった」と強調した。「安いものを探して」と学校側に頼まれたとする同社の説明に対しても、「事実ではない」と否定した。
若山容疑者は大型1種免許を所持していたが、客を乗せて運転するのに必要な「2種免許」は持っていなかった。同社が用意したバスは事業用の緑ナンバーではなく、自家用車などで使う白ナンバーのレンタカーだった。学校側はバス代金について「蒲原鉄道に後日支払うことにしていた」と説明しており、県警は若山容疑者への報酬の有無などを調べ、無許可で営業運行を行った場合に適用される道路運送法違反の疑いも視野に捜査を進める。