弁護士と被告との接見時の録音、刑務所職員が確認するのは「違法」認定…岡山地裁「刑訴法の趣旨を没却する」賠償請求は棄却

弁護人として被告と接見した際の録音内容を刑務所職員が確認したのは、刑事訴訟法が保障する「接見交通権」の侵害に当たるとして、小野智映子弁護士(岡山弁護士会)が国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、岡山地裁は録音内容を確認した行為を違法と認定した。賠償請求は棄却した。判決は15日付。▶「酒気帯び運転で懲戒免職」取り消しと150万円の支払いを市に命じる…岡山地裁判決「故意があったとは認められず、懲戒事由がない」
判決によると、小野弁護士は2023年7月、逮捕監禁致死罪などで起訴された被告と岡山刑務所で接見した際にICレコーダーで録音。刑務所職員は接見直後に録音内容を確認した。
法務省矯正局長通達は、弁護人は収容施設側に事前に申し入れれば、被告人との会話を録音できると規定し、施設側は必要に応じて録音内容を事前と事後に検査できるとしている。
森実有紀裁判長は判決で、「(録音内容の確認は)職員が接見に立ち会うことと同等」と評価。「捜査機関などに接見内容を事後的にも知られない権利を保障した刑訴法の趣旨を没却することは明らかだ」とし、違法と判断した。
一方で、通達に沿って対応した職員の行為は「職務上の注意義務を尽くさなかったとは言えない」として、賠償請求は退けた。
録音内容の確認について、法務省は「各施設で個別に対応しており、実態は把握していない」とした。確認を違法とした判決は他に把握していないという。
岡山刑務所は、確認を実施したケースは過去にもあるとしている。
判決を受け、小野弁護士は「棄却は残念だが、検査の違法性が認められたことは満足だ」と述べた。法務省矯正局は「判決が確定していない中でのコメントは差し控える」としている。
◆接見交通権=容疑者や被告が身柄拘束中でも警察官などの立ち会いなしに弁護士と面会ができる権利で、刑事訴訟法で保障されている。

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