京都府南丹市で市立園部小の安達結希(ゆき)君(11)の遺体が遺棄された事件で逮捕されたのは、父親の安達優季(ゆうき)容疑者(37)だった。結希君が行方不明になってから3週間を経て事態が大きく動くと、地域住民らには動揺が広がった。府警は捜査本部を設置し、事件の経緯や背景の解明を進める。
「捜査本部を設置の上、全容解明を図ることにした」。井上正己・捜査1課長は16日午前10時から捜査本部が設置された府警南丹署で記者会見した。
死体遺棄容疑での逮捕に踏み切った決め手について「容疑者の供述」と明らかにしたが、死亡の経緯や具体的な供述内容については「今後、確認していく」と慎重な姿勢に終始した。単独で遺棄したのかとの質問に対しては「捜査中」とした上で、「(安達容疑者から)誰かとやったという供述はない」と述べた。
府警は今回の逮捕容疑で、安達容疑者が遺体を複数の場所に移動させたとしているが、箇所数を含めた詳細については「差し控える」として言及を避けた。
複数の知人らによると、安達容疑者は京都市内の高校を卒業後、京都府内の電気機械器具会社で勤務していた。勤務態度はまじめだったといい、結希君の母親とは社内で知り合い、結婚したという。結希君は母親の実子で、安達容疑者は養父の関係で、母親とともに同居していた。
南丹市内の自営業の60歳代男性は3月下旬、自身の営む店舗に安達容疑者とみられる男性と親族の女性が一緒に訪れ、結希君を見かけていないかを尋ねられた。女性が必死の表情で情報提供を呼びかけるビラを差し出していたのに対し、男性は表情を変えず、ずっと無言だったという。自営業男性は「不自然さを覚えていた。(結希君が)かわいそうだ」と話した。
小中学校で安達容疑者と同じクラスだったという京都市内の女性(36)は「おとなしい印象。ただ根が暗いことはなく、集団になじんで意見をまとめることにたけていた」と振り返った。教員の信頼も厚く、中学校では生徒会長を任されることもあったという。「子どもの遺体を捨てたかもしれないなんて、到底想像できない」と話した。