連日紛糾している自民党の司法制度調査会。焦点は、冤罪などで確定した裁判をやり直す「再審制度」の見直しだ。自民党の稲田朋美氏は「抗告を禁止する条文を入れてくれというのが私たちの主張」と訴え、マスコミが退出する直前に「どうしてやってくれないの!本気じゃないんですか!」と激しく詰め寄った。【映像】1966年の静岡県一家殺害事件で“冤罪逮捕”された袴田氏(実際の映像)現在、地裁が再審開始を決定しても、検察が不服を申し立てる「抗告」を行えば、審理は高裁、最高裁へと続き、長期化を招く要因となっている。例えば、1966年の静岡県一家殺害事件で逮捕された袴田巌さんの場合、静岡地裁が再審開始を決定したのが2014年3月。これに検察が即時抗告を申し立て、再審公判が始まったのは2023年10月、無罪が確定したのは2024年10月だった。
袴田さんの姉・ひで子さんは「見えない権力と58年戦っておりました。なぜこんなに長くかかったのでしょう。再審になると即時抗告するという検察庁の方法、そういう法律があるから長くかかったと、私は思っております」と語っている。『ABEMA Prime』では、検察側抗告について、稲田氏に考えを聞いた。
自民党の部会において、異例の抗議を行った稲田氏は「再審法にはルールが全然ない。ここまで長く冤罪の救済に時間がかかるのはおかしいということで議連も立ち上がった。自民党で議論が始まってからも、抗告の禁止や証拠開示などについて、ずっと言ってきた。それにもかかわらず、抗告についてはたった1回で終わり、次は証拠ですと。私たちの主張を聞かずに次々と論点だけやっていく。これは誰のための法律なのか、検察のための法律じゃないんだよ」と主張。
現在の再審制度が抱える欠陥については、「福井事件のように、無罪の証拠を隠しておきながら抗告をする。そうした機械的な抗告をいたずらにやり続けることによって、長い時間、裁判のやり直しの公判にすら入れない状況がある。これが冤罪被害の救済を遅らせている最大の理由だ。袴田さんは58年という月日で精神を病んでしまった。これほど長い間、無実の人を救済しないというのは、私は絶対に許せない」と訴えた。
一方で、元検事の高井康行弁護士(※高=はしごだか)は「早く結論を出すという観点から言うと、あまり意味がない。再審請求審で特別抗告までして争った挙句、再審開始が決定されれば、もう再審公判でやることはあまりない。そこは短縮される。逆に一審だけで再審公判へ行くとなれば、本来は抗告審で言うべきことを公判の中で言うことになるので、かえって時間はかかるかもしれない」との見方を示した。