鈴木麻央耶容疑者 田野和彩被告《“ファーコート姿”で法廷を後に》「店長が好きだった」「私も過呼吸になるほどビンタされ…」田野和彩被告が告白した“鬼畜店長”とのいびつな関係 裁判長は「どうして別れなかった?」

「店長が好きだったのもあるし……Xさんの様子をみていたら、『夜の世界では(立ちんぼは)あり得ることなのかな』と思っていました」──3月4日に東京地裁で行われた公判で田野和彩被告(21)は、やや言葉を詰まらせながらこう言った。【写真】「茶色のファーコートにおかっぱ姿」3月5日、東京地裁をあとにする田野和彩被告、初公判のあとに涙を流す様子なども
被告人質問で明らかになったのは、共犯とされている元交際相手の鈴木麻央耶容疑者(逮捕当時39)と被告の異常な関係性と、暴力が横行する日々の様子だった──。【前後編の後編。前編から読む】

 初公判の冒頭陳述などによれば、田野被告は愛媛県出身で大学進学を機に上京。2023年4月ごろから、鈴木容疑者が切り盛りする”昼ガールズバー”で勤務するようになった。通っていた大学は、入店後に退学したという。

 同年から被告と鈴木容疑者は交際関係に。もともとは他の従業員らと同じく、接客や客引きをしているだけだったが、入店の翌年にはマネージャーに昇格し、公私とも鈴木容疑者の”パートナー”になった。これまで、被害者に対し立ちんぼを強要した鈴木容疑者に同行し、新宿・大久保公園へ”監視”に訪れていたこともわかっている。

 公判の場面に戻ろう。まず、田野被告は被告人質問の冒頭で、弁護人の問いに対しこう述べた。
「マネージャーをしていたのにもかかわらず店長を止めることもできず、Xさん(被害者)には精神的にも肉体的にも辛い思いをさせて申し訳ないと思っています」

 売春の指示については「自らしたことはない」とし、鈴木容疑者がほぼ毎日、X氏の立ちんぼの様子を現地で”監視”していたのに対して、自身は「(確認に行ったのは)10回程度」だったという。また被害者のXさんはカード型のGPSを持たされ位置情報を共有されていたが、これに関しても主体性はなかった旨の証言を繰り返した。

 続いて、鈴木容疑者がXさんに日常的に行なっていた暴力行為について質問があった。

「(暴力を)止めたことはありませんでした。私自身も店長から叱られたり、暴力を受けたりしたことがあって、怒ると何も言うことを聞いてくれない感じだった。蹴られたり、過呼吸になるくらいビンタを受けたことがあります」

 過去に取材したバーの関係者らも、「(鈴木容疑者)はキレると手がつけられない」「客ともよく揉めていた」と答えている。鈴木はこの暴力の矛先を、交際相手かつ仕事上は”右腕”だった田野被告にも向けていたのだ。

 被告はさらに反省の弁も述べた。

「(犯行の原因について)当時は善悪の区別ができず、店長のやることに流されてしまった。人にも相談することができなかった。今は人に相談することが大事だと思う。今後は監督してくれている親にいろいろ相談したい。両親を悲しませるようなことは二度としたくない」(同前)

 被告はXさんについて「深く傷つけて反省している」とも言及し、謝意を示した。現在は父親が介護職をしている関係で「認知症サポーター認定講座」の勉強をしており、将来はネイリストなど美容に関する仕事に就きたいとも明かしている。

 その後、弁護人の質問が終わると検察官がある疑問をぶつけた。

「売春させるような男性と、なぜ別れなかったのか」

 法廷が沈黙に包まれる。10数秒経ってから被告が震える声で答えた。

「好きだったからです。今思うと、普通じゃない。感覚が麻痺していたのかなと思います」

 Xさんは鈴木容疑者の徹底した管理に怯え、「日常的に暴力を振るわれたりして精神的にも肉体的にも限界だった。逃げようという考えも浮かばなかった」などと警察に話したという。男から暴力を受けていた田野被告もまた、一種の”洗脳状態”に陥っていたのだろうか。

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