不用品となった家電や家具の回収を巡り、業者から高額を請求されたり、キャンセルを拒まれたりするトラブルが相次いでいる。福岡県では、契約を解除できないとうその説明をしたなどとして、回収業者の男が逮捕された。転勤や進学などで引っ越しシーズンを迎える3月に相談が増える傾向にあり、消費生活センターや警察が注意を呼び掛けている。(井芹大貴)【イラスト】トラブル防止のポイント
「すでにトラックに積み込んでいるので作業は止められない」。福岡市東区から引っ越そうとしていた20歳代の会社員女性は昨年10月、冷蔵庫や洗濯機など18点の回収を依頼した業者の男にこう詰め寄られた。
この業者のウェブサイトには「問い合わせ件数年間8000件」「他社より1円でも高い場合はお申し付けください」と掲載されていた。女性が事前に電話で男とやり取りした際には「2トントラック1台を使って総額は2万円」などと言われたという。
だが、引っ越し当日、トラックへの積み込みを終えた男から約22万円を請求された。作業員の人件費や荷造り代が加算されていた。追加費用は生じないと事前に説明を受けていたため解約を申し出たが、男は「どの業者でも費用は別にかかる」「広告に表示しているのは運搬費だけ」などと拒否。女性は全額を支払った。
男は、「不用品リユースセンター」福岡営業所(福岡市博多区)の責任者の容疑者(41)。女性にクーリングオフに関する書面を渡さず、「契約は解除できない」などとうそを言った特定商取引法違反と、許可を受けずに一般廃棄物の収集運搬業を行った廃棄物処理法違反の疑いで1月に県警に逮捕された。今月18日には、20歳代の会社員男性に対する特商法違反容疑で再逮捕された。「書面を渡していないことは事実だと思うが、悪いことだと知らなかった」などと供述しているという。
捜査関係者によると、容疑者は同センターのウェブサイトを作成。インターネット検索で上位に表示させる「リスティング広告」を繁忙期には月500万~700万円をかけて利用していた。同センターの営業所は千葉や岡山、熊本県などにあり、容疑者は他の営業所とフランチャイズ契約を結び、サイト上に営業所を掲載する代わりに売り上げの2割を受け取っていたという。福岡県警は容疑者が同センターの運営の中心を担っていたとみている。