小泉・安倍政権も泣かされた「チルドレン」の宿痾、圧勝の高市政権が抱え込んだ66人の新人議員という“時限爆弾”

「120日前、衆議院の首班指名選挙で237票。過半数をわずか4票上回るだけの薄氷を踏む思いでの政権発足でございました。今回は350票を上回る安定した基盤の下で首班指名をいただきました」【写真あり】えっ、あの現役閣僚も「チルドレン」だった? 自民党の歴史を彩ってきた数々の「チルドレン」たち「先の総選挙において70年余りの自由民主党の歴史の中で、最も多い議席数によって高市政権を信任してくれた国民の皆様に厚く、厚く御礼を申し上げます」

 第221回特別国会が2月18日に召集され、高市早苗氏が第105代首相に選任された。その日の夜に官邸で行われた記者会見で、高市首相は頭を下げた。
参議院では1回目で過半数を得られず、決選投票にもつれ込んだが、衆議院では1回目の投票で465票中354票を獲得。うち66票は、2月8日の衆院選で初当選した新人議員が投じている。

■衆院選が生んできた数々の「チルドレン」

 衆院選は別名「政権選択選挙」と呼ばれ、これまでも選挙によって勢力が大きく変動し、大量の新人議員を誕生させてきた。

 2005年の「郵政選挙」では、小泉純一郎首相(当時)が郵政民営化に反対する現職候補に“刺客”を送るなどで、83人の「小泉チルドレン」と呼ばれる新人議員が誕生した。東京ブロック単独1位で当選した上智大学の猪口邦子名誉教授は、第3次小泉改造内閣で少子化・男女共同参画担当相に抜擢された。
片山さつき財務相や赤沢亮正経済産業相、木原稔官房長官といった高市政権の要となる人材も当時の初当選組で、文部科学相を務めた永岡桂子氏や阿部俊子氏、稲田朋美元防衛相などの女性政治家もこのときに政界入りを果たしている。

 彼らは「83会」を結成したが、中でも最も目立ったのが南関東ブロック35位で当選した杉村太蔵氏だった。うれしさのあまり「料亭へ行ってみたい」「JR乗り放題で、しかもグリーン車」と満面の笑顔で取材陣に発言して、メディアを騒がせた。
これに手を焼いたのが小泉政権で「偉大なるイエスマン」を自認した武部勤幹事長(当時)だった。生みの親として「新しい風」を結成し、新人教育を行おうとした。「新しい風」は二階俊博氏の「新しい波」とともに当選回数の少ない議員の受け皿となったが、何かと話題の「83会」のメンバーの不祥事が目立ち、「波風」と揶揄された。

■居場所を失っていった「83会」

 それでも小泉政権時はよかったが、06年12月に平沼赳夫氏以外の11人の郵政民営化反対の議員の復党が認められ、藤井孝男氏の参院選での自民党推薦が決まり、衛藤晟一氏も復党するなど、「83会」の居場所はどんどん狭められていく。

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