短期滞在で入国し「受け子」、ビザ免除地域から「ヒットアンドアウェー」横行か…SNSで「日本で物を運ぶ仕事」と誘われ来日

特殊詐欺などに関与したとして短期滞在の在留資格で入国した外国人が摘発される事件が増える中、ビザ(査証)が免除されている地域から来日していたケースが、警察の捜査で相次いで確認されている。警察当局は、詐欺グループが受け子などをさせるため、手間をかけずに入国させる手口が広がっている可能性があるとみている。(川本一喬、京都総局 松久高広)【グラフ】詐欺事件で摘発された短期滞在の外国人の国・地域(昨年1~10月)
昨年8月26日朝、堺市北区の市産業振興センター1階ロビーに、大阪府警北堺署員が張り込んでいた。SNSで詐欺グループから現金を求められた女性と連携し、捜査員が待ち伏せる「だまされたふり作戦」だった。訪れた男に女性が偽の札束を入れた封筒を手渡すと、署員が男を確保。600万円をだまし取ろうとしたとする詐欺未遂容疑で逮捕した。
男は台湾籍の被告(25)(詐欺罪などで有罪判決、控訴中)。府警によると、秘匿性の高い通信アプリで、面識のない人物から中国語で指示を受けていたという。
被告は昨年8月17日、ビザが不要な台湾から観光目的で入国。起訴状では、同月25日にも福井県内で別の人から500万円をだまし取ったとしている。
同時期に入国した別の台湾籍の男も共犯として逮捕されたが、この男と一緒にいた人物は出国したという。府警は訪日後に犯行を重ね、短期間で出国する「ヒットアンドアウェー」の手法とみている。
昨年8~11月には、マレーシアから短期滞在で入国した被告(27)が、詐欺未遂容疑などで逮捕、起訴された。起訴状などによると、被告は同7月23日に来日し、同8月5日、京都府内の女性(66)方で、1500万円をだまし取ろうとしたとしている。京都府警は、被告が事件後、すぐに帰国する予定だったとみている。
警察庁によると、短期滞在の在留資格で来日し、特殊詐欺などに関与したとして摘発された外国人は昨年1~10月、59人(暫定値)に上った。国・地域別ではマレーシア34人、中国・台湾22人、韓国、ベトナム、シンガポールが各1人。マレーシアと台湾、韓国、シンガポールは、短期滞在の場合のビザが免除されている。

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