《不適切会計》ニデックの上場廃止はあり得るのか? 証券アナリストが指摘する“2つの判断材料”とは

「このタイミングでの辞任は、公に謝罪する気がまったくないからだと感じました。情けない限りです」【画像】SNSを仰天させたニデック創業者・永守氏の直筆サイン入りコメントニデックの元幹部はこう嘆く。同社は12月19日、創業者の永守重信・前グローバルグループ代表(81)が辞任し、非常勤の名誉会長になると突如発表した。

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同社は不適切会計の発覚で9月に第三者委員会を立ち上げ、調査を継続中。東証は同社を「特別注意銘柄」に指定しており、同社は1月下旬までに調査結果を報告する予定だ。

「不適切会計は『すぐやる、必ずやる、出来るまでやる』という“永守イズム”を背景に、無理な業績目標を達成するために行われた減損処理の先送りなどだとみられています。それだけに、第三者委の調査報告後、永守氏がどう説明するのかにも注目が集まっていました」(経済部記者)

 しかし、永守氏は同社HPに次のような「コメント」を発表するのみだった。

〈創業者としてニデックを企業風土も含めて築き上げてきたが、ニデックの企業風土が云々と言うことで、世間の皆様方にご心配をおかけすることになった〉

 企業ガバナンスに詳しい青山学院大学の八田進二名誉教授がこう苦言を呈する。

「同社は永守氏の辞任届を“預かり”とすべきで、辞めさせるべきではなかった。フジテレビの問題で日枝久氏が、調査報告が出る直前にフジサンケイグループの代表を辞任し説明責任を果たさなかったのと同じです。ニデックでも第三者委の報告で永守氏の経営責任が認められれば、解任相当との判断になったかもしれない。

 何より創業者として何がダメで何が良かったのかを説明しないと、晩節を汚したまま終わることになる。企業としての透明性も欠落しています」
発表直後、ニデックの株価は一時大きく上昇した。市場関係者が分析する。

「買いの主体は個人投資家でした。不適切会計の“原因”が1つ取り除かれ外国人投資家が戻ってくるのではという“期待”先行です。ガバナンスの不透明感を嫌う外国人が本当に戻ってきたわけではなく、割り引いて見るべきです」

 当初から投資家が注目してきたのは、同社の“上場廃止リスク”だ。これについて2つのポイントがある。証券アナリストが語る。

「まず注目は、調査の結果、どれだけ損失が積み上がるか。11月発表の中間決算で関連の損失をすでに800億円超計上したが、仮にこの倍まで損失が膨らんでも、純資産は前期末で1兆7000億円。大きく財務基盤が揺らぐとは考えにくい」

 特別注意銘柄に指定されたのは10月28日だ。東証は原則、1年後の審査までに内部管理体制等の適切な整備・運用を求めている。運用が適切だと認められない場合、指定が継続され、さらにその年度末から3カ月後にも改善がなければ、上場廃止となる。この点は回避できるか。

「内部体制を象徴するのがまさに“永守イズム”。当初、永守氏は第三者委の調査結果に反発するのではと見られていたが、今回の“退場”を見ると、指定解除を最優先に考えているようだ。長年に渡る債務のトバシで逮捕者まで出したオリンパスですら上場廃止を免れたことを考えると、東証がニデックを上場廃止にするとは考えにくい」(同前)

 改めて永守氏の説明責任について同社に問うと、次のように回答を寄せた。

「永守の見解は、コメントを公表させていただいております。会社としては、調査の結果が出た段階で、丁寧に対外説明させていただきます」(同社広報担当)

 信頼回復の道のりは長い。

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