20世紀最後の日に発覚した事件は、未解決のまま四半世紀が過ぎた。東京都世田谷区上祖師谷の住宅で2000年12月30日に起きた宮沢みきおさん(当時44歳)一家4人殺害事件。今年10月には、名古屋市西区で主婦が殺害された事件の容疑者が26年の歳月を経て逮捕された。「次こそは」。警視庁の捜査員らは解決に向け、蓄積した情報の見直しなどを進めている。(尾藤泰平、礒村遼平)
みきおさんと妻の泰子さん(同41歳)、長女のにいなちゃん(同8歳)、長男の礼君(同6歳)は00年12月31日、自宅で殺されているのが見つかった。
捜査関係者によると、同庁は当初、現場から見つかった特徴的な渦巻き模様の指紋が突破口になるとみて、幅広く指紋を集める「ローラー作戦」を展開した。
遺留品から犯人を絞り込む捜査も進めた。袖が紫色の「ラグランシャツ」、腰回りが70~75センチと推定されるヒップバッグなど、犯人の特徴が浮かぶものが多数残されていたからだ。だが、いずれの捜査も壁にぶつかった。当時は街中に防犯カメラも少なく、延べ30万人の捜査員を投入してきたが解決には至っていない。
鍵となるのは科学捜査だ。名古屋市の主婦殺害事件では、愛知県警が聴取するなどした5000人以上のうち、捜査を詰め切れていなかった数百人を抽出して再捜査。今年に入って複数回にわたって任意聴取した容疑者の女のDNA型が、現場の血痕と一致した。
「犯人がけがを負い、残された血液のDNAがある状況は同じだ」。警視庁の捜査幹部はそう語る。
同庁は、現場で採取したDNA型を捜査線に浮上した人物など計130万件超と照合してきた。DNA型分析では、犯人の「ルーツ」が「父方は日本を含む東アジア系、母方は南欧系の可能性が高い」との結果が出ている。
一方、力を入れるのが一家4人と面識がある人や土地鑑のある人物の洗い出しだ。専従捜査班は「事件前後に海外旅行していた人」「遺留品が購入できた店舗のポイントカード保有者」といった切り口で対象を広げ、指紋採取やDNA型鑑定への協力を求めている。情報は成城署特別捜査本部(03・3482・0110)へ。