マレーシアを拠点に、AI(人工知能)を悪用して「ニセ警察詐欺」を行っていたグループが摘発された事件で、台湾警察は29日、台湾、日本、マレーシアの3か国・地域の容疑者計10人を逮捕したと発表した。昨年6月以降、日本人8人から計約1800万円をだまし取ったとみている。
発表などによると、拠点は首都・クアラルンプールの高級住宅街の一戸建てで、パソコンやタブレット端末、携帯電話など計約30台のほか、日本警察を装う制服やバッジなどが押収された。
グループの上役は台湾籍の人物で、拠点のパソコンには、電話の「かけ子」の顔をニセの警察手帳の写真に置き換えるビデオ通話システムが構築されていた。AIを悪用した「リアルタイムディープフェイク」と呼ばれるもので、主に台湾籍の人物が偽物の制服を着て画面に向かい、システムを操作していた。
日本の被害者とビデオ通話する際は口を動かすだけで、画面には出ない日本人のメンバーが「台本」に基づいて日本語で話しかけていたという。
事件を巡っては、マレーシア警察が昨年8月に拠点を捜索し、日本と台湾当局と連携して国際捜査を展開。大阪府警は同10月、現地で拘束された男4人を詐欺容疑で逮捕していた。台湾警察が発表した容疑者10人にはこの4人も含まれる。
東南アジアの拠点から日本を狙ったニセ警察詐欺の被害は相次いでおり、警察庁は各国当局との国際連携を強化している。(木村雄二、台北支局 園田将嗣)