山上徹也被告「宗教2世」の山上被告、弁護側「宗教が関わった虐待の被害者」検察側「殺人や傷害事件に発展した例は他にない」…論告・弁論・意見陳述の要旨

奈良地裁で18日にあった安倍晋三・元首相銃撃事件の公判で、殺人罪などに問われた山上徹也被告に対する検察側の論告と弁護側の最終弁論、安倍氏の妻・昭恵さんの意見陳述の要旨は次の通り。
〈手製銃〉
被告が作製した銃は銃刀法の「拳銃」や「砲」にあたる。武器等製造法違反、銃刀法違反の発射罪、加重所持罪が成立する。
〈生い立ち〉
被告は善悪をきちんと判断できる40歳代の社会人として過ごし、不遇な生い立ちに安倍氏は無関係だ。量刑の大枠を変更するものではない。
〈犯行態様〉
極めて危険で卑劣極まりなく著しく悪質だ。現場は約300人が集まっていた。銃の殺傷能力は高く、弾丸がどこに飛ぶか分からない危険なもの。被告も危険性を認識していた。
〈計画性〉
殺人の1年6か月ほど前から銃の製造を始め、試射を繰り返した上で、命中率の高い銃で犯行に及んだ。安倍氏への殺意は犯行の数日前に発生したが、人の生命を奪うという点で、計画性は年単位で極めて高い。
〈社会的影響〉
元首相である現職国会議員を国政選挙の応援演説中、大勢の聴衆が見守る中で銃殺したという、戦後史に前例を見ない極めて重大な犯行で、社会に甚大な衝撃を与えた。模倣性も極めて高い。人生や社会に不満のある者が、国会議員などを手製銃で襲撃・殺害しうることを世に知らしめた。
〈動機〉
教団信者である母の高額献金などで教団に対して激しい怒りを抱き、教団幹部を殺害しようとしたが、できなかった。安倍氏が教団と関係があると思っており、襲撃すれば教団に社会の耳目が集まり、ダメージを与えることができると考えた。
突発的に襲撃対象に選んでおり、論理に飛躍があると言わざるをえない。安倍氏が教団の友好団体に送ったビデオメッセージは、政治家による儀礼的なあいさつの域を出ない。犯行を誘発するものとは認めがたい。短絡的かつ自己中心的で、人命軽視も甚だしく、酌量の余地はない。
〈宗教2世〉
宗教2世の問題で、殺人や傷害事件に発展した例は他にない。被告が本件に及んだのは「プライドの高さからくる人生に対する強い不全感」に起因する。

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