見知らぬ人から突然「財布を落としたのでお金を貸してほしい」と言われ、同情してお金を貸してしまう場合があるかもしれません。▼町内会費の支払いを拒否したら「今後ゴミを捨てるな」と言われた! 本当に従う必要はあるの?このようなケースでは、財布を落として本当に困っているケースもあれば、同じ手口を何度も繰り返している常習的な寸借詐欺犯のケースもあり得ます。筆者は前職が警察官で、このような寸借詐欺を取り扱ったこともありました。
本記事では、寸借詐欺とはどのようなものなのか、あとから発覚した場合にはどうなるのか、突然「お金を貸して」と言われたときの対処法などを、筆者の経験もまじえながら解説します。
寸借詐欺(すんしゃくさぎ)は、詐欺の手口の1つで、お金などをちょっとの間だけ貸してくれと言って、そのまま返さずにだまし取ることです。今回の事例のように、財布を落として交通費がないといって第三者をだます方法などが代表的です。
そもそも詐欺罪とは、どのような罪なのでしょうか。詐欺罪が成立するには、以下の要件が1から4の順に成立することが必要です。
1. 犯人が被害者をだます
2. 被害者がだまされる
3. 被害者が犯人にお金などを渡す
4. お金などが犯人の手に渡る
上記の要件が必要であるため、一見詐欺のように思えても、詐欺罪が成立しないケースは意外と多くあります。例えば、お金を貸して返してもらえないときに「詐欺だ!」と言ってしまいがちです。しかし、お金を借りた人に返すつもりがあるのなら詐欺罪は成立しません。「だます意思」は内心面に関わるため、証明が難しいケースもあります。
寸借詐欺は、被害金額が少ないことも立証が難しい理由の1つです。例えば、1000万円や1億円のように被害が高額であれば、犯人の経済状態などから最初から返せるあてがなかったことを比較的証明しやすいでしょう。
しかし、少額であればあるほど、「返すつもりだった」と言われるとそれを覆すのが難しい面があります。筆者も、寸借詐欺や無銭飲食など少額の詐欺事件で、立証がうまくできなかったケースが何度かあります。