福岡県田川市の私立保育園で勤務していた元保育士の女が、園児への傷害と暴行の疑いで逮捕された事件です。園では、女を含む10人の保育士による虐待などがあったとして福岡県と田川市が行った改善勧告に対し、園は再発防止のための改善策を報告しました。【詳しく】保育士14人のうち10人が虐待に関わる 確認された虐待の内容は 殴る・つねる「頭悪いんか」強引に食べ物を口に押し込む傷害と暴行の疑いで20日、送検された福岡県田川市の元保育士、中村麗奈容疑者(25)。
ことし7月から8月の間、勤務していた田川市の松原保育園で、担任だった5歳児クラスの園児の首付近をつかみ後ろに引っ張り倒すなどの暴行を加えたほか、顔を複数回殴ったり、頭を紙箱でたたいたりしてケガをさせた疑いです。
捜査関係者によりますと、園の防犯カメラには、中村容疑者が別の園児にも暴力を振るう映像が残っていたことが新たに分かりました。
松原保育園を巡っては10月、福岡県と田川市が園に改善勧告を出しました。
ことし7月から8月にかけて、園に勤める保育士10人が、園児を殴る、たたく、嫌がっているのに口に食べ物を押し込むなどといった行為に関わっていたことが確認されました。
勧告を受けて、20日が期限となっていた再発防止のための改善報告書を、園は県と市に提出しました。
県の担当者によりますと、改善報告書には虐待が起きた原因について、保育士の虐待に対する認識不足や園全体で人権意識が欠如し、長年、改善されないままだったことが挙げられていたということです。
園は、大学など外部の専門家による研修や、保護者との信頼関係構築を取り組む対策を示したということです。福岡県と田川市は今後、連携して確実に改善が図れるよう指導していくとしています。
保育士の不適切な行為について、福祉や教育に詳しい専門家に聞きました。
■豊岡短期大学通信教育部 こども学科・矢野洋子教授
「隠蔽(いんぺい)や、見ていなかったことにするよりも、みんなが自分のことのように考えて伝えることは必要なこと。(子どもがいる)時間が非常に長くなって、その上、人手不足。そして気になるお子さんがいて、保育者が時間を取られたり手がかかったり、気持ちに寄り添わないといけない場面が増えてきていると感じます。」
保育士による虐待や不適切な保育をなくすために、適切な保育現場の環境整備だけでなく周囲の人が声を上げることも必要とされています。