カンボジアにある特殊詐欺の拠点で電話をかける「かけ子」をしたとして、福岡県警は18日、福岡市の男女ら3人を詐欺容疑で逮捕したと発表した。【イラスト地図】和牛30トン輸出先を偽装、実際は香港なのに「手続き緩い」カンボジアと申告
逮捕されたのは、同市南区の無職の被告(34)、同区のコールセンター従業員の被告(31)(ともに詐欺罪で公判中)、埼玉県川越市の契約社員の容疑者(68)。
発表では、3人は1月、警察官を装って千葉市の会社員女性(20歳代)に電話をかけ、「犯罪に関与した疑いがあり、財務調査のため現金を振り込む必要がある」などと言って約200万円をだまし取った疑い。両被告は同月、東京、大阪、宮城、千葉の男女5人に同様に電話をかけ、計約1500万円を詐取した疑い。契約社員の容疑者は「借金の返済のためだった」と容疑を認めている。無職の被告は公判で起訴事実を認め、コールセンター従業員の被告は一部を否認している。
検察側の冒頭陳述や両被告の供述調書によると、昨年11月頃、当時無職だったコールセンター従業員の被告は知人から「カンボジアで翻訳の仕事がある。月に40万円がもらえる」と紹介され、交際中の無職の被告を誘って出国。カンボジアでは中国人らに迎えられてタクシーで拠点へ移動した。マニュアルを読んで詐欺と認識し、「話が違う」と拒んだが、中国人らは取り合わなかったという。
両被告は月曜から土曜までかけ子に従事。報酬として300ドル(現在の為替レートで4万6000円前後)程度を受け取り、今年2月に帰国したという。
捜査関係者によると、両被告はカンボジア東部プレイベン州の拠点でかけ子をしていたという。読売新聞の取材などでは、拠点はオフィスやスーパー、カラオケなどがそろう「街」になっていた。周囲は高さ数メートルの壁で囲われ、出入り口には銃を持った警備員がいるという。