全米を震撼させた「ネットいじめ」事件。13歳の少女を苦しめた“予想外すぎる犯人”とは?今考えたい、SNSとの向き合い方

2025年8月に公開されたNetflixの犯罪ドキュメンタリー『匿名メッセージは誰なのか: 高校ネットいじめスキャンダル』は、ある高校生カップルが、約1年半にわたって匿名のテキストメッセージによるサイバーいじめを受けるという事件を取り上げた作品で、現在、世界中で話題となっている。【写真】いじめを受けた高校生カップル、ローレンとオーウェンアメリカを震撼させたネットいじめ【ネタバレあり】

アメリカ・ミシガン州ビールシティで実際に起きたネットいじめ事件を深く掘り下げた、Netflixの犯罪ドキュメンタリー『匿名メッセージは誰なのか: 高校ネットいじめスキャンダル』。2020年10月、当時13歳だったローリン・リカリと彼氏のオーウェンが、匿名番号から不穏なテキストメッセージを受け取り始めたことが事件の発端に。その後の約1年半にわたり、二人は脅迫や侮辱、精神的な苦痛にさらされたという。

当初の捜査では、ローリンとオーウェンのクラスメートや友人たちに疑いの目を向け、学校内の人間関係をぎくしゃくさせていったものの、やがて匿名メッセージの発信元が、ローリンの母親ケンドラであることが判明。『Netflix Tudum』によると、2022年12月、母親は複数のストーキング容疑およびコンピューターを使った犯罪の容疑で逮捕・起訴されている。

その後、未成年に対するストーキング2件を認め、懲役19カ月から5年の刑が言い渡され、2024年8月8日に出所。同作の撮影終了時点でも、娘との関係を取り戻したいという気持ちを持ち続けていたという。
ローリンとオーウェンだけでなく、疑われた友人、そしてそれぞれの家族の心まで傷つけた同事件。『匿名メッセージは誰なのか: 高校ネットいじめスキャンダル』の監督を務めたスカイ・ボルグマンは、同作を通して「テクノロジーの使い方」や「信頼関係」について、親子が率直に話し合うきっかけになればと願っている。

「この事件はかなり異常なケースですが、今も多くの子どもたちが、毎日のように嫌がらせのメッセージを受け取ったり、サイバーブリングにも日常的に対処しています。FBIが介入することは滅多にありませんが、彼らは日々、その現実に直面しているのです」

またボルグマン監督は、同作に登場する10代の若者たちの精神的な強さや成長について、こう語っている。

「この作品に登場する子どもたちは、誰もが驚くほど冷静で前向きでした。疑われたり信じてもらえなかった状況でも、何が起きているのかを突き止めようとしていたのです。だからこれは、彼ら全員が伝えたいと思っていたより大きなメッセージだと思いますし、このドキュメンタリーを通して、その思いが多くの人に届いてほしいと願っています」

そして最後に、映画を通して伝えたいことについては、「まずは、子どもたちの話に耳を傾けて。そして、世の中にあるリスクを大人が理解したうえで、子どもたち自身が正しい判断をできるよう導いてあげてください」と語った。

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