今月11日に『キングオブコント2025』(TBS系)決勝が放送され、ロングコートダディが第18代王者となった。彼らが優れていたものとは何か? 上位3組を中心に今大会の特徴を振り返る。(ライター・鈴木旭)【画像】キングオブコントで優勝した芸人たち
昨年、ラブレターズが17回目の挑戦、5度目の決勝進出で悲願の優勝を飾った『キングオブコント』(以下、『KOC』)。今年も手練れのファイナリストたちが、多様なコントで火花を散らした。
今年決勝に駒を進めたのは、青色1号(初)、うるとらブギーズ(4年ぶり4度目)、元祖いちごちゃん(初)、しずる(9年ぶり5度目)、トム・ブラウン(初)、ファイヤーサンダー(3年連続3度目)、ベルナルド(初)、や団(4年連続4度目)、レインボー(初)、ロングコートダディ(2年連続 4度目)の10組(五十音順)だ。
ライブシーンを沸かせてきた青色1号が芸歴11年目で初の決勝進出。中堅芸人の大将とハギノリザードマンが今年1月に正式結成したコンビ・ベルナルドが早々にファイナリスト入りを果たし、しずるが9年ぶりに返り咲くなど、目を引くトピックスが多かった。
加えて、昨年2位のロングコートダディが2年連続、3位のファイヤーサンダーが3年連続、4位のや団が4年連続で決勝に進出し、常連組のネタ巧者による戦いが注目される大会でもあった。
審査員は昨年と同じく、東京03・飯塚、バイきんぐ・小峠英二、ロバート・秋山竜次、かまいたち・山内健司、シソンヌ・じろうの5名。彼らが評価するのは、初出場の勢いか、経験値の高さか。筆者が固唾をのむ中でファイナルステージへと勝ち上がったのが、ロングコートダディ、や団、レインボーだった。
では、上位3組は何が突出していたのか。審査員と本人のコメントを含めて、それぞれのネタを振り返ってみたい。
※以下、ネタバレを含みます。
まずは、3位のレインボーのジャンボたかおと池田直人。彼らの強みである「女性役の池田に振り回される男性役のジャンボ」が2本のネタに集約されていたように思う。
とくに1本目の「女性芸人との合コンに戸惑いながらも魅了されていく男性」を描いたネタは、ふたりの魅力が詰まっていた。
入店して間もなく、女性芸人(池田)が「どうも初めまして。テトラポットチューリップのタカダ通天閣言います」と流暢に自己紹介すると、その勢いのまま場を回し始める。これに田中(ジャンボ)は圧倒されつつも、やり取りのうまさに感銘を受け、みるみる女性芸人の魅力にハマっていく。
後半で田中が率直に「俺と恋人という名のコンビ、組んでくれないか」と思いを口にすると、異性にはにかむ一面を見せ始めた女性芸人が「アカン」と言いながら歩み寄って行き、「うちの立ち位置こっちや」と茶目っ気を出して笑わせる展開もうまかった。
得点は464点。審査員の山内は、演技力の高さと同時に「本当に若手の芸人が持ってるスーツケース」を手に提げて登場する女性芸人のディテールの細かさ、「ちょっと関西の芸人バカにしてる感じ」が面白かったと自身の最高得点である97点をつけた。
94点と高評価したじろうも、観客にウケるためにテンポの良いやり取りばかりを意識しがちだが、「ジャンボが、その間を表情の演技とかで細かくリアリティーが出るようにつないでるところがすごい良かった」と称賛した。
SNSで「似ている」と賑わっていた通り、レインボーのふたりはカーネーション・吉田結衣が女性芸人のモデルであることを明かしている(大会終了後に配信された『キングオブコント2025 生・大反省会』(U-NEXT)より)。このリアリティーがキャラの説得力につながったのだろう。
大食いのジャンボ、メイク術に長けた池田など個々のキャラでも知られるレインボーだが、今大会で“コントあってのコンビ”であることが広く伝わったのではないだろうか。