水上恒司主演のドラマ『シナントロープ』(テレ東系)は、社会現象を起こしたアニメ『オッドタクシー』の原作・脚本としてオリジナルストーリーを書き下ろし、山岸聖太が監督を務める男女8人の青春群像ミステリーだ。今回は、第2話のレビューをお届けする。(文・ふくだりょうこ)【写真】染谷将太が怪しすぎる… 貴重な未公開写真はこちら。『シナントロープ』第2話劇中カット一覧
強盗事件、ヒロイン・水町(山田杏奈)への殺害予告と、第1話から緊迫感に満ちていた『シナントロープ』。
第2話では一転して、キャラクターたちの個性や関係性がより詳らかとなった。
強盗事件の翌日。ハンバーガーショップ「シナントロープ」は臨時休業中で、バイトたちは総出で後片付けに勤しむ。オーナーによれば、犯人はすでに逮捕されたとのことで、ホッと胸をなでおろす面々に、オーナーが「これで飯でも」と心づけを渡す。
そのお金を手に、都丸(水上恒司)たちは新入り・志沢(萩原護)の歓迎会へと繰り出す。
志沢にそれぞれが自己紹介するシーンは、視聴者にキャラクターを自然に印象づける優しい設計だ。
自己紹介シーンでは、それぞれのキャラクターが自然に印象づけられる。8人全員が個性的でありながら、会話のテンポや距離感から関係性がすっと入ってくる構成だ。その後、学生らしく一同はカラオケへ繰り出すと、よりその素顔が垣間見える。
ムードメーカーの木場(坂東龍汰)を中心に、漫画家志望の田丸(望月歩)と真面目なお嬢様・里見(影山優佳)の距離感が微笑ましい。バンドマンの塚田(高橋侃)と室田(鳴海唯)はあからさまではないが、親密さを漂わせる。そして、水町を想う都丸。
個人的に、一見無表情な志沢が、都丸に協力すると申し出たのには驚いた。人は見かけによらず、ということか、それとも――。
都丸達がカラオケで盛り上がっている頃、別の部屋では、裏組織「バーミン」のトップ・折田(染谷将太)の部下である龍二(遠藤雄弥)と久太郎(アフロ)が。
2人の会話から、新情報が続々と明らかになった。まず、シナントロープの強盗は久太郎による犯行で、捕まったのは“真犯人”ではないこと。2人は沖縄出身の幼馴染で「りゅうちゃん」と「きゅうちゃん」と呼び合う仲であること。久太郎は忘れっぽく(記憶領域の使い方が独特)、2人にとって折田は恐ろしい存在だということ。
多くの情報が一気に提示されるが、強面ながら穏やかな掛け合いには、裏社会の人間らしからぬ可愛げがあり、2人の空気感が物語全体の緊張をやわらげている。
また、折田のスマホを「処分した」と話す久太郎が、実はそれを忘れていたという展開も伏線として効いてくる。都丸が興味本位でスマホに電話をかけ、偶然それを見つけてしまうくだりは、まさに“深みにハマっていく”瞬間だ。彼が自ら事件に引き寄せられていく様がスリリングである。