未成年への性加害は「社会的な死」を意味する。特に生殖の神聖さを尊ぶキリスト教圏において、その罪はあまりに重い。自己判断をすることのできない未成年を大人が利用することは「最悪の行為」とされる。【衝撃の内部写真】電気マッサージ器やナースセット、拘束具とみられる恐怖のグッズ、天井の隅には小さなカメラがついていた
しかし、タブーだからこそ、権力者にとっては「特別感」があったのかもしれない。隔離空間で、自分好みに用意された未成年女性と”遊ぶ”サービスを提供することにエプスタインは政財界で得難い人脈を構築し、成功者となった。
そんなエプスタインをめぐっては、イスラエルの政府や情報機関「モサド」との濃厚な関係、いわゆる工作員説など、さまざまな推察、陰謀論が飛び交ってもいる。それほどにエプスタインは権力者たちの”弱み”を握っていた存在だったということだろう。
欧米権力者の特権意識を魅了したエプスタインの「少女性接待」を、『エプスタイン文書で暴かれた世界の闇』(宝島社)より、一部抜粋して再構成する。(全5回の第2回)
周知のとおり、エプスタインは「欧米権力者=特別階層」向けに、権力者が安心して遊べる性接待の場を提供してきた。エプスタインの遊びが欧米中の権力者を魅了したのは、「未成年女性」を、相手の好みに合わせて潤沢に用意できていたからだとされる。
近年まで未成年の性規制が緩かった日本ではわかりにくいが、欧米社会では未成年との性行為、それも金銭を介しての買春は最悪の反社会的行為として、発覚すれば一発で社会的な死を意味する。
とくにキリスト教プロテスタントでは、長らく生殖行為以外の性行為、性の快楽を「悪」としてきた。実際、近世まで「性行為は男女ともに局部に穴を開けた袋に入って行為を行うのが正しい」とされていたほどだ。
同性愛がタブー視されてきたことも、中絶に反対するのも、性行為は快楽ではなく、あくまでも生殖行為だという理由にある。現在もプロテスタントにはその傾向は少なからず残っている。
トランプの支持層でもあり、米国民の4割を数える「福音派=キリスト教原理主義者」たちは、現在でも性行為に対して、これに近い認識を持っている。福音派にすれば、自己判断と自己責任の取れない未成年を大人の権力で踏みにじる児童買春は、まさに最悪の行為。未成年でも自由恋愛ならば許されるが、「大人が守るべき存在」である未成年を札束と力で大人がねじ伏せる児童買春は悪の所業とされる。
児童レイプ犯は刑務所内で容赦のない暴力を受けることで知られるように、犯罪者同士ですらそうなのだから、一般社会での制裁はきわめて大きいということが理解できよう。
だからこそ未成年との性行為は「権力者の遊び」として特別感が出る。バレる心配もなく安心して「少女と遊べる」というエプスタインの演出は、自分が選ばれた人間だという権力者たちの特権意識をくすぐる。それで多くの権力者たちが、どっぷりとはまっていったのだ。
この「少女と安心して遊べる」という極めて困難なサービスを実現させていたことは、エプスタイン=モサドエージェント説に信憑性を持たせる。児童買春ネットワークに組み込まれた欧米の政財界に影響力を持つ権力者たちは、エプスタインに「弱み」を握られ、エプスタインは顧客権力者を利用して欧米諸国をイスラエル寄りへと誘導する──その意味で言えば、エプスタインという存在はモサドが欧米権力者向けに張り巡らされた「罠」の一つだったと推察できるというわけだ。