「フジに白旗を上げさせた」父の逮捕→20年後に“仇討ち”…投資家・野村絢(38)が恐れられる理由「彼女は父親よりも…」

〈「彼女を知らない経営者はいない」「一番父親に似ている」スイスの高校→慶應大、夫も投資家、2児の母…“村上ファンドの娘”野村絢(38)とは何者か〉 から続く【似ている…?】野村絢氏が見せた“満面の笑み”、父・村上世彰氏とのツーショットなど、この記事の写真をすべて見るヤマダHDとエディオンの巨大経営統合など、日本企業に次々と変革を迫る「モノ言う株主」野村絢氏(38)。著名投資家・村上世彰氏の長女であり、総額1兆円に迫る一族の自己資金を操る人物だ。そんな彼女に一際注目が集まった、かつて父が表舞台から姿を消す発端となった因縁の相手――フジ・メディア・ホールディングスとの“大勝負”とは。(全2回の2回目)

◇◇◇

 著名投資家の村上世彰氏と、その事実上の後継者・野村絢氏。この親子が大勝負を仕掛けたのが、ほかでもないフジ・メディア・ホールディングス(清水賢治社長。以下、フジHD)である。世彰氏とフジHDには過去の深い因縁があっただけに、一際注目が集まった。

 2025年4月初め、世彰氏は親しい企業経営者に「近々、人生を賭けた大きな事業に打って出ることを公表する」と伝えていた。これに呼応するように浮上したのが、4月3日に表面化した、絢氏と関連投資会社「レノ」および「エスグラントコーポレーション」などによるフジHD株の買い増しだった。

 4月10日に財務局に提出された変更報告書(5%ルール報告書)によれば、3者のフジHD株式保有比率は11.8%まで上昇し、筆頭株主に躍り出たのだ。
世彰氏とフジHDの因縁は約20年前、ライブドアによるニッポン放送買収劇まで遡る。当時、フジサンケイグループは、東証に上場するニッポン放送の傘下にフジテレビや産経新聞社などがぶらさがる企業グループを形成していた。「ニッポン放送の時価総額は千数百億円しかなく、その株の過半数を取られれば、フジが奪われてしまう、危うい構造だった」(前出・関係者)とされる。
その解消のために、フジHDのドンに上り詰めていた日枝久会長(当時)はニッポン放送株を株式公開買い付け(TOB)で取得し、資本構造を正そうとした。そのTOBの最中に浮上したのがライブドアの堀江貴⽂社⻑(当時)による奇襲だった。背後には堀江氏の指南役としての世彰氏がいた。

 だが、堀江氏は、「フジとシナジーを求めて業務提携したい」と持ち掛ける一方で、「株式交換した株をひそかに買い戻して⾃分たちの影響下にある投資事業組合(ファンド)に持たせ、時機をみて市場で売却し、売却益を還流させていた」(同前)とされる。実態はグリーンメーラーに近かった。

 そして2カ⽉後の2005年4⽉18⽇、ライブドアは買い占めたニッポン放送株をすべてフジに買い戻させただけでなく、フジHDからライブドアへの出資⾦440億円も掌中に収めた。フジHDがライブドアに⽀払った⾦額は総額で1400億円余に及んだ。

 しかし、翌06年1月、事態は一変する。東京地検特捜部は、別の企業買収に絡む証券取引法違反(偽計・風説の流布など)容疑で、六本木ヒルズのライブドア本社に強制捜査に⼊り、堀江氏らライブドア幹部4⼈を逮捕した。捜査は堀江氏の指南役だった世彰氏にも向かい、同年6月、ニッポン放送株を巡るインサイダー取引の容疑で逮捕されるに至ったのだ。当時高校生だった絢氏は、父の裁判をすべて傍聴したという。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする