欧州を記録的な熱波が襲った6月末、ドイツのインフルエンサーで元女子サッカー選手でもあるエッダ・エリサ・ピルツ(25)が、ルフトハンザ航空機への搭乗をゲートで止められた。理由は、熱波対策に露出度がアップしたアスレジャーファッションだった。【写真を見る】搭乗を拒否されたスポーツブラとショーパン姿。金髪美女が披露したバッキバキの腹筋ショットなど
気温30度を超える暑さのなか、彼女が身につけていたのはスポーツブラとバイカーショーツ。ピルツによると、係員は彼女を見て「裸同然に見える」と指摘し、そのままでは搭乗できないと告げたという。
インスタグラムで55万人以上のフォロワーを持つピルツは、搭乗を止められた後、空港内で撮影した動画をSNSに投稿。「その格好ではだめだ」と係員に告げられたと説明し、「こうすればいいの?」というように、持っていたジャケットを羽織る様子を見せた。
後日、取材に対し、ピルツは「私の後ろには、男性グループがマヨルカ島帰りのようなタンクトップと短パン姿で並んでいたが、そのまま搭乗していった」と振り返った。記録的な熱波のなかでの出来事だったこともあり、「じゃあ何を着ればいいの? これだって服でしょう?」と訴えている。
「最終的には機内持ち込みの荷物から取り出したジャケットのファスナーを首元まで閉めたことで搭乗を認められました。ピルツは『私はただスポーツウェアを着ていただけ』と訴えたうえで、係員から『あなたのせいで飛行機全体が遅れている』とも言われたと振り返っています。
航空会社の服装規定については、『ルールは受け入れる。でも、あの態度は受け入れられなかった』と、係員の対応への不満をあらわにしました」(海外ジャーナリスト)
投稿は瞬く間に拡散され、「公共の場では露出が高すぎる」「航空会社の判断は当然」といった批判が上がる一方、「男性との扱いが違う」「服装の基準が曖昧だ」と擁護する声も相次ぎ、SNS上で論争となった。
もっとも、航空会社と乗客の間で服装をめぐるトラブルは今回が初めてではない。
2017年には、ユナイテッド航空がレギンス姿の10代の少女2人の搭乗を認めず、世界的な騒動となった。2人は社員や家族向けの優待パス利用者で、一般客より厳しい服装規定が適用されていたが、「一般客にはわかりにくいルールだ」と批判が噴出した。
2021年には、腹部を露出したクロップトップを着用した女性について、アラスカ航空が体を覆うよう求めたものの応じず、到着後に警察官が機内に乗り込む騒動に発展。警察官の付き添いのもと降機したが、警察は「犯罪ではなく航空会社の服装規定の問題」と判断し、逮捕には至らなかった。
同年はアメリカン航空でも、ショートパンツとクロップド丈の短いトップス姿の女性に対し「裸同然」「家族連れには不快感を与える」と指摘したとされる。女性はTシャツを着ても搭乗は認められず、空港で一夜を過ごすことになったと訴えた。
「今回の騒動を受け、ルフトハンザ航空は独メディアに対し、係員が『裸』という表現を使ったとの主張について『そのような言い方は当社の基準に反する』と説明。そのうえで、『公共交通機関にふさわしく、さまざまな国から来た他の乗客の快適さを損なわない服装』を乗客に求めているとし、搭乗を断った判断は規定に基づくものだったとの見解を示しています」(同前)
各航空会社の運送約款には「適切な服装」を求める規定が設けられていることが多い。例えばアメリカン航空は「適切な服装をすること。裸足や攻撃的な服装は認められない」と定めている一方、「適切」の具体的な基準までは示していない。
元客室乗務員からは、露出の高い服装は緊急脱出時に肌を傷つける恐れがあるとして、安全面から肌を覆う服装をすすめる声もある。
「適切な服装」とは何か──。その線引きをめぐる議論は、今後も続きそうだ。