「何があったかは隠しません」強盗殺人が起きた家を買い取った特殊清掃会社の決断、親子が集まる“意外すぎる現在地”

単身世帯の増加や、家族・地域とのつながりの希薄化により、孤独死や孤立は、高齢者だけでなく、あらゆる世代に関わる問題となっています。それに伴い、需要が高まっているのが、人が亡くなったあとの部屋やゴミ屋敷を片づける「特殊清掃」です。そうした現場で働く特殊清掃員が、実際に見聞きした出来事とは? (本記事は関西クリーンサービス著『特殊清掃員が見た怖い部屋』より一部を抜粋したものです *同書は関西クリーンサービスが実際に体験した事実を基に執筆しています。ただし、関係者のプライバシーに配慮して、一部内容を脚色・改変しています)【写真】「子どもたちの笑顔があふれる場所に…」“暗い過去”を持つ物件が明るい雰囲気の建物に生まれ変わった
「正直、父が亡くなって、悲しさはいっさいないんです」

 依頼者である娘は、淡々とそう言った。

 「こうなるべくしてなった人だと思います。ただ——」

 娘は続けた。

 「母のことが、かわいそうで」

■闇バイトの加害者に27回殴打され殺された70代

 ある年の冬、住宅街強盗殺人事件が起きた。

 被害者は70代の男性。自宅2階のベッド下で、血まみれで倒れているところを発見された。ハンマーで殴られ、頭部が大きく損傷していた。
死因は失血死。殴打された回数は、27回だったという。

 犯行は深夜に行われた。犯人グループは3人。主犯格の30代の男と、20代の女。そして、50代の男。

 トラックではしごを運び、隣接する別宅から2階の窓を破って侵入。3階建ての自宅へと入り込んだ。

 犯人たちと被害者の男性に面識はなかったと見られている。

 主犯格の男は解体業を営んでいたが、金に困り、あちこちから借金をしていた。

 当時の報道によれば、背後には匿名・流動型犯罪グループ―― いわゆる「トクリュウ」の存在があったとされた。ターゲットの情報を与え、実行役に強盗をさせ、上前をはねる。闇バイト強盗の構図だ。
指示役とされた人物については、のちに不起訴となっている。

 「あの家には大金がある。強盗に入れ。盗ってきた金の7割をよこせ」

 結局、実行役が手にしたのは10万円程度だった。

■誰も悲しまなかった死

 事件当時、被害者男性の妻は、同じ家の3階で寝ていた。「気づかなかった」と警察に話したという。

 夫が2階で27回も殴られている間、本当に何も聞こえなかったのか。警察はまず、この妻を疑った。

 毎日、警察に呼び出された。2週間に及ぶ連日の聴取は、高齢の身にはつらいものだった。ようやく無実が証明されたとき、重篤な病が発覚した。妻の余命は、わずかだった。

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