前南城市長からセクハラ被害を受けた女性に対し、「セクハラをでっち上げた」などと非難し、SNS上で個人情報を公表するなどして名誉毀損と強要未遂の罪に問われた糸満市の男(78)の初公判が2日、那覇地裁で開かれた。男は起訴内容を認めた。検察側は拘禁刑2年を求刑。弁護側は執行猶予付きの判決を求め即日結審した。判決は8月13日。【動画】被害者への中傷「関係ない」 自身は人権救済申し立ての意向 南城・古謝前市長が失職後初の会見 セクハラ
検察側は冒頭陳述で、男が前市長からセクハラをしていないと聞くなどし、報道がねつ造だと思い込むようになったと指摘。被害者にセクハラがなかったことを認めさせる必要があると思い、SNSに投稿して連絡を取らせようと考えたとした。
論告では、県内の報道機関の姿勢への不満を、セクハラに関する記事をきっかけに強くしたとし「動機が独りよがりで、酌量の余地がない。警察から警告されても行為をエスカレートさせ、誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)を繰り返した」と述べた。
証拠調べでは、検察側が前市長の供述調書も読み上げた。「投稿は見ていた。やりすぎではないかと思ったが、止めることはできないと思い、連絡まではしなかった」などとした。
被告人質問で、男は現在はセクハラはあったと認識していると明かした。「大変申し訳なかった。できるなら本人に謝罪したい」と語った。
被害者の個人情報 「ヨダ」氏から入手 南城セクハラ名誉毀損訴訟
前南城市長のセクハラ問題を巡り、SNSで被害女性を誹謗中傷する投稿を繰り返し、名誉毀損と強要未遂罪に問われた男(78)。2日の初公判では動機について「事実を知りたかった。逮捕覚悟だった」と振り返った。検察官から、女性を苦しめる投稿を止められなかった理由を追及されると「自分の思慮が不足していた」とした。
検察側によると、被告はかねて県内の報道機関に不信感を抱いており、前市長のセクハラ報道も誤りだと疑った。前市長と直接会ったり、支援者グループと交流したりする中で、セクハラはでっち上げだとの思いを強めた。被害者の個人情報は「ヨダ」という知人から得たとした。
被告人質問では、女性に直接事実を確認したかったができなかったとし「セクハラはなかったから、私に会えないんだと曲解してしまった」と説明した。
前市長のセクハラを認定した市の第三者委員会による報告書については「抽象的だと思った」とした。ただ、報告書そのものではなく、生成AIによる要約を読んだとした。
被害者らに与えた影響について問われると「セクハラは絶対なかったという確信を持っていたので、強気で投稿してしまった。もうSNSは触る気はない。間違った発信ばかりしてしまった」と語った。