水道メーターの盗難が各地で相次いでいる。銅価格の高騰を背景に、防犯対策の薄い公営住宅を中心に狙われている。各地の水道局が注意を促している。(川本一喬)【まとめ表】主な水道メーターの盗難事例
4月25日午後6時頃、堺市西区の大阪府営住宅の5階から、「ガチャガチャ」と金属音がするのを近くに住む50歳代の男性が聞いた。不審に思った男性が駆けつけると、男が水道メーター1個を持っているのを発見。男は窃盗容疑で現行犯逮捕された。
男は大阪市住吉区の無職(60)(起訴)。男はほかにもこの府営住宅の別棟と、堺市中区の府営住宅から計48個の水道メーターを盗んだ疑いで府警に追送検された。約40個は業者に売っており、「ギャンブルなどでお金がなく、集合住宅の空き部屋を狙って盗んだ」と供述しているという。
4月下旬には、兵庫県姫路市の市営住宅計7棟で計126個(計約70万円相当)の被害が発覚。神奈川、静岡両県では今年に入って計1000個以上盗まれたという。山口県下関市でも3月、1341個の盗難が確認された。
5月以降も大阪や兵庫、奈良、山梨などで窃盗被害が続いている。
堺市上下水道局は被害を受け、住人らに対して、急に水が出なくなった場合は敷地内のメーターボックスを確認するように求め、公営住宅の管理者にも盗難対策を要請。東京都などほかの自治体もホームページやSNSで注意を呼びかけている。
盗難の背景には、銅価格の値上がりがあるとみられる。
非鉄金属大手「JX金属」が公開する国内取引の基準値は今年5月、月平均1トンあたり約224万円に上った。2017年5月の約67万円から3倍以上に上昇した。警察庁によると、昨年の金属盗の認知件数は1万5712件。20年の5478件からは3倍近くになっている。
大阪市内の金属買い取り業者によると、メーターを覆うケース部分は、真ちゅうや砲金などの銅合金で高価という。プラスチック製のふたなどが取り外されていれば、さらに高く買い取られるという。