熊本県の八代市議会(定数28)は8日、市庁舎建設を巡る汚職事件で逮捕、起訴された市議の成松由紀夫被告(54)に対する辞職勧告決議案を賛成多数で可決した。成松市議への辞職勧告は3度目で、汚職事件を理由とするのは初めて。法的拘束力はない。
決議案は5会派の11人が提出。橋本徳一郎氏(共産)が「市政への市民の信頼を失墜させた。刑事責任は司法が判断するが、度重なる不祥事と逮捕、起訴を鑑みれば政治的、道義的責任は明白だ」と提案理由を説明。採決では成松市議が所属した自民党市議団の8人中7人が棄権、1人が反対。残る18人は賛成した。
市議団は成松市議の逮捕後も「1円ももらっていないという主張を信じる」としていた。だが、あっせん収賄罪で起訴された翌日の29日に除籍した。村川清則団長は棄権した理由について、「政治家の出処進退は本人に委ねるべきだ」と説明。成松市議が団長を務めた昨年7月まで副団長だった橋本幸一氏は「推定無罪の原則があり、道義的責任は問えない」と述べた。
一方、辞職勧告に賛成した他会派議員は「自民市議団は本会議前の全員協議会で逮捕、起訴について謝罪したにもかかわらず、採決で棄権や反対をしたのは矛盾する」と批判。髙山正夫議長は本会議終了後、報道陣に「成松氏は辞職勧告を厳粛に受け止め、職を辞してほしい」と話した。
市議会は昨年3月と12月にも、市長公室長を介した全庁的な物品販売が市政治倫理条例に違反するとして、成松市議への辞職勧告決議案を賛成多数で可決していた。(河内正一郎)