栃木県上三川(かみのかわ)町上神主の会社役員男性(68)宅に複数人が押し入り、親子3人が死傷した事件で、栃木県警は15日、相模原市内で10歳代1人を強盗殺人容疑で緊急逮捕した。14日に同容疑で逮捕された相模原市の男子高校生(16)は「同学年の仲間に誘われた。他の仲間は車で逃げた」などと供述していることが捜査関係者への取材で判明。男性の妻で、殺害された富山英子さん(69)には殴られたり、刺されたりした傷が計20か所以上確認され、県警は強い殺意があったとみて捜査している。
事件は14日午前9時25分頃に起きた。室内にいた富山さんが胸などを刺され、死亡した。死因は出血性ショックだった。外で農作業をしていて駆け付けた40歳代の長男と30歳代の次男も頭部を殴られるなどして負傷した。
県警によると、1階の掃き出し窓が割られ、富山さんが倒れていた部屋は物が散乱し、物色された形跡があった。実行役は3人以上とみられ、現場からは凶器とみられる刃物1本と、バールが押収された。
高校生は事件の約30分後、現場から約550メートル離れた路上で顔を手で隠しながら歩いているところを、下野署員に職務質問された。捜査関係者によると、身分証やスマートフォン、現金は持っていなかったという。
逃走に使われたのは高級外国車で、ナンバープレートは登録が抹消された盗品に付け替えられていたとみられる。県警は県外に逃走したことを確認しており、「匿名・流動型犯罪グループ(匿流(トクリュウ))」による犯行の可能性も視野に捜査している。
事件との関係は不明だが、けがをした次男は4月上旬、町外の自宅が窃盗被害に遭っていた。富山さんの自宅周辺でも不審車両の目撃が相次ぎ、県警がパトロールを強化していた。
4月20、22日に富山さんの親族が不審な車やバイクに関して下野署に相談。5月6日にも親族から情報が寄せられ、下野署員が不審車両を発見した。運転者は逃走したが、同乗していた茨城県八千代町の職業不詳の男(41)の身柄を確保し、盗まれたナンバープレートが車に付けられていたことから、7日に盗品等保管容疑で逮捕した。