野村悟被告暴力団・工藤会の弱体化には成功しているが…今春就任の北九州市警察部長「残存勢力と周辺者を絶えず注視」

今春、福岡県警北九州市警察部長に谷山浩一郎氏(58)が就任した。同市出身で「古里への恩返しとして、誰もが住みやすい地域にしたい」との決意を胸に、特定危険指定暴力団「工藤会」(本部・北九州市)の壊滅や市民の防犯意識向上に力を注いでいる。
県警小倉北署長を経て3月に着任した。「安全・安心の思いをカタチに北九州地区はワンチーム」をスローガンに、新入学児童の見守りといった活動を通して、行政などの関係機関と早々に連携を深めている。
市の課題として、組織実態が見えにくい匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)による凶悪犯罪や、被害が絶えない特殊詐欺を見据える中、北九州を「修羅の街」として全国に悪名を響かせた工藤会対策に特に力を入れている。
工藤会は組織の威力による資金獲得活動とともに、市民や企業への襲撃を繰り返し、警察も標的にしてきた。県警北九州地区暴力団犯罪捜査課によると、全国で唯一「特定危険指定暴力団」に指定される同会の県内勢力は、2008年の約730人をピークに昨年は約140人にまで減少。14年9月、トップの野村悟被告(79)らの逮捕後、同会が絡む市民襲撃事件は起きていないが、現在も組織的な活動は根強く続いているという。
「これまでの対策が奏功し、弱体化に成功しているが、いまだ解散には至らない。残存勢力と周辺者の動向には絶えず注視が必要。積極的な事件化と社会隔離、組織の壊滅を目指す」と警戒を緩めない。
工藤会については長年、市民や企業の切実な声を聞いており、「北九州への企業進出の妨げにもなってきた。街の発展を阻害している」と語る。その工藤会を始めとする暴力団排除にこだわり続けるのは「地域の健全なモラル醸成につなげるためだ」という。
「暴力団が猛威を振るう地域では大人から子どもまでもが負の影響を受ける。彼らの姿を見た住民が社会のルールを守らなくなれば、古里は荒廃してしまう」
工藤会が関与したとみられる未解決事件もある。「被害者の無念と遺族の悲しみに応えたい」と力を込めた。

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