福島県郡山市の磐越自動車道でマイクロバスを運転して事故を起こし、私立北越高校(新潟市)男子ソフトテニス部に所属する生徒18人を死傷させたとして逮捕された無職の男(68)について、複数の生徒が「事故前から運転が荒かった」などと証言していることが11日、捜査関係者への取材で分かった。福島県警は、証言も踏まえて事故原因の解明を進める。
事故は6日午前7時40分頃、緩い右カーブで発生。バスは道路左側のガードレールに突っ込み、同校3年の男子生徒(17)が死亡し、生徒17人が重軽傷を負った。
自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷)容疑で逮捕された男は、県警の調べに、制限速度80キロの区間を「時速90~100キロで走行し、曲がりきれなかった」と説明。捜査関係者によると、現場付近に目立ったブレーキ痕はなく、バスはガードレールに衝突後も止まらず20~30メートル走行していた。県警が乗っていた生徒らに事情を聞くと、事故前から、男の運転が不安定だったことを証言したという。
同校が10日に開いた記者会見でも、男の運転に関する生徒らの証言が明かされた。学校側は保護者を通じて把握したといい、「事故前にもトンネルでぶつかって擦っていた」「車の片側にこすったような痕があった」との証言が出ていると説明した。
捜査関係者によると、男は調べに対し、居眠り運転を否定し「体に不安はなく運転にも支障はなかった」と話しているが、この数か月間に別の交通事故を複数回起こしている。県警は正常な運転が可能だったのかを捜査し、近く若山容疑者を現場に立ち会わせて実況見分を行う方針。
ソフトテニス部顧問の男性教諭は事故当日、自家用車で移動していた。教諭は10日の会見で「私がバスに乗っていれば運転手の異変に気づき、事故を防げたかもしれない。同乗しなかった私の判断は誤りだった」と悔やんだ。