5月8日公開の「選挙ドットコムちゃんねる」では、刑事裁判をやり直す再審制度の見直しに関する自民党部会と法務省の攻防を取り上げます。冤罪被害者を救うための再審手続きを阻む検察官の「抗告禁止」を巡り、自民党と法務省が真っ向から対立している経緯と現在の争点とは?MCの毎日新聞の田中裕之記者と今野忍記者が徹底解説します!
MC田中記者:今日は再審制度。開かずの扉が開きつつあると。
今野記者:これどうなってるんですか?
MC田中記者:状況としては、昨日(5月7日)自民党で部会が開かれまして、そこで、法務省案が出てきました。ずっと焦点になってるのは、検察の抗告を禁止するということを自民党が求めていて、それに法務省が抵抗しているという構図がずっと続いています。(中略)
今野記者:前段として、裁判をやり直してくださいっていうのが再審制度ですよね。基本的には日本は三審制で、地方裁判所、高等裁判所、最高裁判所で3回裁判をして、確定判決が出たらそれは変わらないんですけど。確定判決が出た後に、今ね、科学技術とかDNAが発達してるから何か新証拠が出てきたり、新たな証言が出てきたり、新犯人が出てきちゃったりとか色々ありますので、その場合にはもう1回裁判をやり直しましょうと。そのやり直しにものすごい時間と手間がかかってる。そういう話ですよね。
今野記者:そう。袴田事件で、再審になりましたけど、袴田さんも40年以上……
今野記者:48年間かかってますね。厳密に言うと、30歳で逮捕、44歳で死刑判決を受けて、裁判のやり直しが決まったのが78歳。この時点で34年かかってるんですよ。この時点でも十分長いんだけど、裁判のやり直しが決定したら「再審開始の決定」をすぐやればいいんですけど、この再審も3回やらなきゃいけない。まず被告が再審をお願いし、裁判所が再審をやるに値すると認めた場合に「再審開始の決定」がその時だけ出る。確定判決は重いから、何でもかんでもできるわけではありません。「再審開始の決定」がされたのであればすぐに再審できるかというと、そういかなくて、検察が不服申し立て「抗告」、いやいや再審なんてやる必要がありませんというのを言える。言うと、これも三審制です。これによって袴田さんは再審の決定から、再審が始まるまでに9年間。78歳で34年かけてやっと再審が決まったと思ったら、さらに9年間延ばされる。この間、再審が決まれば検察は戦える訳だから、この間の(「抗告」)はまるごといらないんじゃないかと、検察の広告は原則禁止しろと。国会の超党派で、自民党も立憲民主党も、珍しく気が合ってですね、「もう抗告はやりません、原則禁止しろ」と決めたんですよ。そうしたら超党派の議員立法は色々あって成立しませんでした。そうしたら法務省さんが「私たちがちゃんと法案作りますから」と言って、元検察官とか息のかかった有識者を集めて法制審議会を作ったら、案の定、抗告はそのまま、証拠はちょっとだけ出しますみたいな、もう本当に「喧嘩売ってるんですか?」みたいな案が出てきたんですよね。それで、政府案が出しましたと。