熊本県八代市の新庁舎建設工事を巡る汚職事件で、あっせん収賄容疑で逮捕された市議の成松由紀夫容疑者(54)が、工事への入札参加が想定された大手ゼネコンが不利になる入札条件を市側に働きかけていたことが捜査関係者への取材でわかった。警視庁などは、有力な競合相手の応札を断念させ、受注への働きかけを依頼された建設会社の確実な落札を図ったとみている。
発表によると、成松容疑者ら3人は2016年~19年12月頃、市庁舎新設工事の入札で準大手ゼネコン「前田建設工業」を含む共同企業体(前田JV)が有利になる評価基準を市幹部に指示するなどしたうえで、その見返りに21年6月頃、同社から現金計6000万円を受け取った疑い。
成松容疑者は入札について、金額だけでなく技術力など様々な要素を加味する「総合評価方式」で行うよう副市長に要求。同社社員が作成した評価基準案を渡して採用を迫ったという。
捜査関係者によると、基準案には「過去1年以内に熊本県内で指名停止措置を受けている場合、12点減点」との項目が盛り込まれていた。12点の減点は金額換算で19億円以上が入札価格に上乗せされるのと同じ影響があり、該当すれば大きく不利になる条件だった。
応札が見込まれていた大手ゼネコン1社は、リニア中央新幹線の建設工事を巡る談合事件で県などの指名停止措置を受けており、大幅な減点対象だった。大手ゼネコンは結果的に応札せず、前田JVが単独応札で落札していた。
警視庁と熊本県警の合同捜査本部は8日、成松容疑者ら3人をあっせん収賄容疑で熊本地検に送検した。成松容疑者と7日に接見した弁護士によると、容疑を否認しているという。